谷川俊太郎、逝く。
あの谷川俊太郎が亡くなった。又日本にとって大切な存在が一つ消えた。分かりやすい言葉で、しっかりと人々の胸底にまで届く詩を書いていた。その言葉は、いつも、どうですか?あなたはどう考えますか?という疑問符を読む人に投げかけていた。現代にこそ必要な人だった。
「おしっこ」という詩がある。娘が広島被爆手記朗読の会で取り上げている。戦争に真っ向から切り込むのでは無く、皮肉な詩になっていて、私は好き。
大統領がおしっこしてる
おしっこしながら考えている
戦争なんかしたくないんだ
石油がたっぷりありさえすれば
テロリストもおしっこしてる
おしっこしながら考えている
自爆なんかしたくないんだ
恋人残して死にたくないもの
兵隊さんもおしっこしてる
おしっこしながら考えている
殺すのっていやなもんだぜ
殺されるのはもっといやだが
男の子もおしっこしてる
おしっこしながら考えている
ほんとの銃を撃ってみたいな
ゲームボーイじゃまどろっこしいよ
武器商人がおしっこしてる
おしっこしながら考えている
銃がなければ平和は守れぬ
金がなければ自由も買えぬ
道で野良犬おしっこしてる
おしっこしながら考えている
敵もいなけりゃ味方もいない
ただの命をいきているだけ
今朝の朝日新聞は第一面のトップ記事として詩人の死を大きく報じていた。そして天声人語も感動的な言葉を贈った。やっぱりこの新聞は止められないなあ。