石村嘉成くんの映画。
昨日は久しぶりに映画館。あの石村嘉成君とお母さんを描いた映画だった。幼少期より彼の「自閉症」と戦い続けた母親。それを演じたのが、地方局のアナウンサーKさん。Kさんとは不思議な縁があって、ピアニストゆり子さんの取材をずっとしてくれた人でもある。これは是非見なくては!との思いだったが、その素晴らしい演技にも感動。これまでいつお会いしても心がこもったお話ぶりで、優しい声と同様、お人柄にも感心していた。それがそのまんま映画の中でしっくりと収まり、元々の俳優かと思うくらい自然な演技で、まずはそれに驚いた。竹下景子と対で話す場面なんか特に、おおー!と声がでそうだった。こうした子供を残して死ななくてはならなかった女性として、存在感のある出演だった。
かねて展覧会で彼の母親が早くに亡くなったとは聞き知っていたが、深くは知らない。今回丁寧な描写でいわば彼の原点となったであろう母親の存在が描かれ、彼の絵の真実に近づけた感じがした。あの動物達の優しいが意味ありげな瞳には多くの言葉がつまっているのだろう。
この映画は、多くの自閉症の子供たちやそれに連なる家族や療育の先生達にも良い意味の影響を与え続けることだろう。素晴らしい映画であり、石村君は人間としても素晴らしい。彼の展覧会で帰り際、「お元気で長生きして下さいっ!」と声を掛けられたのを改めて思い出す。あれはおざなりの言葉ではなく、本心からの言葉だったんだ、と今なら分かる。
予想通り、涙無くしては見られない映画ではあった。
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