私と娘。
おそらく我々親子は漫画にでも書けば余程面白いのではないか?という場面が多々ある。今日も今日とて、昼間お忙しいお嬢が、夕飯後の眠くてくつろいで居る時間だとは思ったが、ふと思いついて電話してみる。最初からダメ元だったが、ある衝動に駆られてのことだった。「ねえ、今晩、あの面白い映画見に行かない?」「ええ~~?私もう飲んでますけどね。」「私は飲んでないから、運転するよ。」「お母さんは元気ねえ。」という会話の後、マンションで彼女をピックアップ。雨が降る中を兎に角出発した。
で、館内に入りチケットを購入。いつものおじいさんが、「大分早いけど外に出ますか?そこで待ちますか?」と訊いてくるのを違和感を持って聞きつつも、「15分くらいですから、ここで待ちます。」と側の椅子に腰かける。19時10分開演で、時計を見ると2分前。急いで腰を上げると彼は言う。「ええ~~次のは20時15分からですよ~。今日は特別ですから~。」と妙に間延びした声で説明してくれる。詳しく聞くと貸し館のあとイベントもあり、今日は予定を変更してますとのこと。思い込みの激しいこっちは堂々と言ったもんだ。「ええ~~?でもネット見て来たンですけど~?」そのときおじいさんはすこしもあわてず~~「そうですかあ~?そりゃあきのどくに~、、、払い戻しは出来ますよ。」
てなことで、払って貰って外へ出る。
そこからお嬢の攻撃が始まった。「大体ねえ、お母さんはそういうとこがいいかげんなのよっ!チャンと見ないからこういうことになるんよっ!どうせテキトーに見たんじゃない?今日は何日ですか?ホラホラネットにもちゃんと出てるじゃ無い?あのおじさんは全然悪くないっ!よくもあんなこと言えたモンよねっ!ダダダダダ~~~ッ!」それを聞きながらなぜか可笑しくてしょうがない。笑うとますます怒ると思うけど、、押さえられない。このシチュエーション自体が、メチャクチャ面白い。まるで行く時の眠いのを我慢した腹いせや欲しくも無いものをコンビニで買った損害が彼女の興奮スイッチを押し続け、ガミガミとかみついてくるのに比例して可笑し涙が流れてどうにも押さえられない。「何がそんなに可笑しいのよっ!」と自分もつられ笑いしながら尚も怒っている。
ま、分かんないだろうなあ、こういうときのアチクシの心理状態。といっても、自分にもよく分からないのではあるが、強いて言えば、たいしたことないことで怒りまくっているお嬢のことが可笑しくてしょうが無いのであ~る。こんなこと言うとますます火に油になるんだけどね~。
母親と夜のお散歩代わりと思えばど~ってことないと思うけどねえ。ま、彼女はA型。こっちはO型。世に言われる典型かもね。
そもそも見たかった映画は婿殿のお勧めで、余りに面白くて終演後には拍手したくらいだというので、見逃したく無かったのではある。そういう評判でどうも上映日も延長になったらしい。だったらもっと後の日でも行けるわけだ。
そういえば、最初の電話では、「まあ、疲れてはいるけど、笑って一日が終わるのも良いかな~。」と言ってましたわなあ。可哀想に、怒って一日が終わったか。ぷ。