懐かしさと寂しさと。
およそ9ヶ月ぶりにお会いした15歳年上のお姉様。電話では一度伺いますと言いながらお互いの都合が付かず延び延びになっていた。で、漸くお訪ねできたのだが、お庭の様子や建物はさほど変化は感じられない。相変わらず町の中心地にしては緑が多く、畑なんかも作られてハーブや赤いピーマンなども見える。こぼれ種かどうか?曼珠沙華もチラホラ。そして何より驚いたのは迎えて下さった先生の変わらないご様子。先に妹さんが体調を崩されて介護というかお世話をされている。「二人だから良いのかもね?」と妹さんに軽やかに笑って細かいところに気配りをされている。公的なサービスの他にお手伝いさんにも長年来て貰っているようで、キレイに整った生活をされている。所謂断捨離を思いつき色々持ち帰って貰ったり捨てて貰ったりしているといい、私にも以前着ていたお洋服を貰って欲しいと言われる。で、何度もお邪魔していても一度も上がったことのない二階へと移動。現在ほぼ使われてないというお部屋がトイレ、冷蔵庫付きキッチン、シャワールーム、リビングや和室に納戸まである。住人の拘りが詰まった明るい窓が光を入れておしゃれ。誰も使ってないこういうお部屋が、あるんだよねえ。朧な記憶では誰か下宿していた時期があったような、、、?
肝心のお洋服は、きっとサイズが合わないだろうと踏んで見せて貰ったのだが、アッと驚くためごろ~~~!ぴったし。私よりボリーミーな人だとばかり思っていて、頂ける物は無いだろうと踏んでいたら、わ~お。結果数枚頂いて帰ることに。
階下に下りて色々お話するなかで、思い出されるのは頻繁に人を招いて先生手作りのお料理でのホームパーティ。何度も呼んでいただいたが、最近は殆ど人が訪ねてこないと寂しそうに言われる。棚にはコーヒーカップやソーサーなどがびっしり。その頃の名残を感じる。
助手よろしく同行したお嬢は、その頃は上京中で知らない世界だが、我が家でのパーティは覚えていて、時代が本当に変化したとつくづく話すことだった。
お茶にケーキでもてなして下さっていて、フト本棚を見ると、「香川の人物年鑑」という分厚い本が目にとまる。手に取って再びアッと驚くためごろ~。わが家族のうち三人が載っていた。20年も前の本だが、当然こちらの先生が載っているからここにあるわけだが、急に申し訳無い気分になる。
帰りにお土産まで。その中に先生の演奏のCDがあり、記念にと有り難く頂いた。
本当に時間は我々を置いてけぼりにしていつの間にか過ぎてしまった。確かにあった楽しい想い出をこうして時折掘り起こしながら、残りの人生を過ごす他ない。
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