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2024年7月19日 (金)

あるピアニストの死。

昨日は朝絵本の読み聞かせ。見学者のNさんと同行。彼女の車で現場へ行き、帰宅してから夫と共にうどん屋さんへ。彼女にとってはお初のお店だったが、美味しいと喜んでくれた。お互いに美味しいうどん屋さんの情報交換しては盛り上がる。

午後はお嬢のシャンソン教室。発声練習を担っているので、暑い中出かけた。順調に時間が過ぎた頃、突然お嬢に呼び出しが掛かる。ピアニストTさんの容体が急変したとのこと。お嬢は飛び出して行き、後のフォローはこっち。来年の春教室の発表会をやることが決まった。

ピアニストTさんはその後少し持ち直したが、又直ぐ体調が悪くなりとうとう今日の夕方身罷った。

ここまでの印象としては、人間なかなか逝けないというのが感想だ。苦しんで苦しんでそれを今の医学では対処出来ない。それをずっと見聞きしてきて、ああ、自分だったらあのように耐えられないなあ、と思っていた。死ぬなら癌が良いなんて言う医師がいるが、それは時期が分かるだけのこと。あの壮絶な痛みと闘うなんて、自分だったら嫌だな。

今回の彼女の死について、多くのマスコミが取り上げてくれた。新聞、ラジオ、ネットニュース、そして今日はTVのニュース番組で紹介された。そのきっかけを作ってくれたのは、パリ祭オーディションの審査員のお一人。二人の演奏にいたく感動して、彼女の病名も知り心を寄せて下さった。そこからだった。そして今日のテレビ放送まで繋がって行ったのだが、ずっと遡って考えていると全ては彼女の思い通りになったような気がしてくる。そもそもそのオーディションにあちらのピアニストじゃなくて絶対一緒に行って自分が弾くと宣言したのも彼女だし、「優勝しなければ解散だからね。」と言い切ったのも彼女。腰が引けてる娘はいつもお尻を叩かれていた感じ。

良いコンビだった。

が、どんな人にも死は訪れる。今日のテレビ放送中に身罷ったというのも彼女の気持ちの表れのような気が、、、。「私の役目は終わった。」というような、、。「皆さん、私、全力で生きましたよー。さようなら。」、、、というような。ここ数年の彼女の意志が伝わってきた。

さようなら。そして、有り難う。今はただそれだけ。

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