何故かこうなる。
息が切れそうなくらい忙しい。絵本読み聞かせの練習に行こうと準備していたが、夫が一緒におうどんに行こうと甘えてくる。むげにも断れず、お付き合いしてから一度夫をおろして給油して、洗車もしてから目的地へと急ぐ。既に始まっていて、プログラムを貰うがなかなか中に入れないというかモードが切り替わらない。ナンとか飲み込めて、約1時間半の練習を終えて、そこからレグザムへと車を飛ばす。案の定近隣のパーキングは一杯。立体の3階になんとか置けたと思ったら、直ぐ後からお嬢の赤い車がはいってくる。「こんな偶然ある?」と言いながらホールへと向かう。
本日は昨日に引き続き、さぬき映画祭の行事の一環で、あの高畑淳子氏がトークショーもするし、4ヶ月先に上映開始のものが先に見られるというので会場はほぼ満席の大盛況。タイトルが、「わたしシャンソン歌手になりたい」というもので、お嬢も熱が入る。自分自身は、この作品の第一話をAmazonで見ていて、面白いのは分かっていた。橋爪功とのコンビは最強だ。見知らぬ人に挟まれて、いずれの人も涙と笑いに身をよじるのが分かる2時間。こっちもハンカチを出したものだ。
このタイトルは、「再春」という副題が付いていて、昔青春時代に描いていた夢を年取ってから実現したいと頑張る高齢女性のお話。それを揶揄したり反対したりしていた夫が、最後は昔の会話を思い出し、奥さんに薔薇の花を百本プレゼントするという、まあありがちなストーリー。が、流石の橋爪さん。殆ど喋らずに多くの事を体で表現した。日本が誇る俳優だ。
映画のあと、トークショーで、讃岐弁丸出しの会話を繰り広げた高畑さんに拍手喝采が送られた。年老いてますます美しい彼女は、話しの内容も含蓄があり、聴衆の共感を呼んだ。
こちらは別に来ていたKさんを屋島まで送る約束で、ちょいと早めに出て急ぎ車を回す。びっこを引き引きやってきた彼女は一種のエコノミー症候群?でも、舌は健康で、道中楽しく色々話せて良かった。が、途中で、お嬢から電話が入り、孫べえの夜ご飯お願いと甘えてくる。こっちはたださえ夫の渋い顔を思い浮かべていて、気がせいていたが、高畑さんの楽屋にというのをむげにも断れず、はいはい。
結果、Kさんを下ろしてから友人の店に寄り、二人のためにお寿司を買い、まずは孫べえに届けて、それから自宅に帰ると案の定の顔の夫。それは無視してチャチャッと夕餉の支度。あんさんがお腹空いてるというのは、こっちも同じなんだよ、と言いたいのをガマンして。本日のあれこれを喋っていると徐々に機嫌が直ってくる。ただ寂しいだけなんだと分かる。困ったなあ。これから長いぞ~。
やがてお嬢から楽屋訪問したことの報告が入る。同じ青年座の後輩で、シャンソン歌手のA女史の弟子ですというので、すんなり入れてくれたらしい。高畑さんも同じくA女史に習っていたことがあり、すれ違っていたのだ。そして他に訪問者がいなかったのもあり、けっこう長く相手をしてくれて、若くして亡くなった俳優仲間の話しなどして心の交流があったようだ。今後のお嬢の人生に確かな宝物を貰ったようだった。
辛いこともあれば、楽しい事もあるのが人生だ。