今回は完璧な旅になる予定だったが、のっけから躓いた。KさんYさんをそれぞれ娘の運転の車でお迎えに行き、さあ、目的地のホールまで短いドライブを、と思いつつ目的地のパンフレットを見ると、えっ?映画の題名が違う。今日はジュリーの主演の映画を見る予定で出てきたのだ。ところが、そのチラシには今日の題名は、「最高の人生の見つけ方」とある。「へ?そんな馬鹿な!」と独り言を言うと、運転席からチラ見していたお嬢が、「え?まじ?違うの?」と小声。「どうするの?」とまたしても小声。母親の失態をどうにかしようと空しい思考を巡らせている。「他へ回れば?違うことしたら?」などなどブツブツ言うので、後部座席で盛り上がっていたお二人さんも気付いてしまう。「なあに?違ってたの?」で、ゲラゲラゲラ。「まあ、良いじゃん?違うのを見るのも悪くないし、ジュリーは又行く機会が増えて良かったじゃないの?」といつもの如くお優しいKさん。こういうところが、我々のわれわれたる所以だ。お互いのミスは全て許し合う。が、娘はガマンできない。「自分はそんなのAmazonんで見るからぜったい行かない。その辺でぶらっとしてるからどうぞ行ってきて。」とつれないお言葉。ま、無理強いする気も無いからどうぞどうぞそうしてちょ、とホールの玄関先で別れる。もう一人お誘いしていたKさんは、既に到着していて椅子に座って休憩中。「ごめんなさ~い」と近寄るが、題名が違うのに気付いてもない。ま、我々はこんなものだ。しかし何が驚いたって、チケットを購入しようとしたらいきなり満席だから、どうする?的な会話が受付から聞こえる?へ?入れないの?と思ったら、我々の所までで終となる。お陰でみんなバラバラに座ることに。しかし、こんなに一杯の人で映画を見るなんて何年ぶり?皆さんこの映画を見たかったのよねえ?私たちみたいに勘違いで来てるんじゃないわよねえ?と席を探していると、あっちでもこっちでも「あら。蓮井さん!」と声をかけてくれる。それにも驚いたが、結局座った場所の隣は古いお付き合いのSさん。「まあ、奇遇ですねえ。」と言いながら実は勘違いで今日来ちゃったのよ、と告白しては笑う。しかも直ぐ後ろの席は昔のシャンソン教室の生徒さん。「娘さんのパリ祭、行きたいので又チケットお願いしますね。」と言われたり。まあ、狭いこと。
映画は、思ったより面白かった。吉永小百合と天海祐希のコンビが良かったし、映画の下敷きになっているのが同名の洋画で大ヒットしたらしく、お話しが面白かった。が、Kさんは過去にその洋画の方を見ていたようで、「そりゃああちらの方が断然面白かったわよ。」との感想。「だけど、今日は今日で泣けたわ~。」と目が赤い。なぜだかY女史は階段を降りながら踊っている。「面白かったわ~。」とハイテンション。そ、そうですか?と妙な相づちを打ちながらごった返す出口近くのKさんの所まで行くと、「まあねえ。吉永は相変わらず大根だしねえ。」と醒めた感想。その足で迎えに来た娘共々ランチへ。思った程のお味でなく少々がっかり感はあったが、おたがいの会話力で乗り切り、次なる目的地へと出発。
このコンサートはいつも楽しい構成で楽しませてくれるが、矢張りお世話係も年を取ったのか観客が少ない。以前はわが友人達と沢山で繰り出していたが高松から坂出まで行くというのが簡単ではなくなった人が多く、それ程お誘いできて無かったから、全体としてそんな感じだったのかも知れない。時は流れる。
で、今日の締めくくりにはKさんお勧めのカフェ行ってみようとなったが、そこはね、一日中居られそうな素敵な場所なのよ!と絶賛するご本人が店名も覚えて無く、場所もおぼろ。結局お嬢がスマホでイロイロ検索して、「漢字一文字だったわ。」というK女史の言葉で探し当てて、複雑な道を行ってみれば、「本日都合によりお休みさせて頂きます」の張り紙。仕方なく彼女の言う通りガラス扉の奥を覗いてみると確かに色んな古美術品が並んでいて、個性的な空間のお店のようだった。
言い出しっぺのKさんが「じゃあ、うちで美味しいフルーツでも食べませんか?」と言ってくれたのでそうすることに即決。
確かに美味しい梨や、自分で栽培収穫したスイカはカフェよりよかった。あっとばかり気付くと夕方6時。急ぎわが夫に悪いけど今日の夕食はご自分で何か買ってきてね~とライン。それにはかなりご不満の返事が来たが、いまさらどうしようもない。娘の方は旦那がお休みで任せてれば良い状態。てなことで、最後Kさんをお送りしてから二人でラーメンでも食べて帰ろうとなる。行ってみればここも満席。晩ご飯にラーメンという習慣がないからファミリーで来ている人が多くてビックリ。カウンターで陣取って久しぶりに熱いラーメンは予想外に美味しかった。
まあ、この珍道中のツアーはこうして終わったが、疲れきった。
積み残した件があるから、きっと又行くんだろうなあ。は~っ。