今日も晴れ。
自分の命は拾いもの、という思いがこの所我が脳裏を行きつ戻りつしている。丁度手術を受けた日に、最後のちぇちの公演に初参加してくれたTさんが急死されたというのを後に聞かされた。なんということ。自分より10歳お若いこともさることながら、自分の入院直前にも会っているし、連絡を受けた時は信じられなかった。
クリスチャンで真面目を絵に描いたような人。公演中は末期癌で闘病中の兄上のことで相当心を痛めつつ、その兄上に逆に励まされての出演だった。9月に尊敬する兄上を見送って、哀しみの中にも未来を見据えて新しい事にチャレンジすると決意を聞いたばかりだった。まさか、こんなことが起こるなんて、信じられない思いだ。救いは、「私の人生の中で最も濃密で充実した時間を貰った。」とちぇちの公演に参加したことを評価してくれたことだ。何度も後ずさりしながらも遣り果せたことは、彼女の中に自信や今後の希望になったことは間違いない。
それなのに、なんという不運。人生は残酷だ。こういうことには抗えない人間の弱さ。。。受け入れるしか無い。そして、生かされているという思いが強くなる。
初めての誰もいないお正月。時折部屋を訪れる看護師と二言三言言葉を交わすだけの日々。自然と外を眺める時間も多くなる。娑婆では余り起きない時間に起きて、カーテンを開けてから殆ど紫雲山とそれにかかる雲を眺めている。人の気配はほぼ無い。手前の河に水鳥が来ては遊び又飛び立つのを飽かず眺めている。
友人が貸してくれた分厚い本もあっと言う間に読めた。今宵はオペラニューイヤーコンサートがあるらしい。久しぶりにゆっくり見られるだろう。
今朝、四日ぶりに医師が現れて、「順調ですね。」と声をかけてくれる。そうなんだろう。時折の発熱も痛みも想定内ということらしい。ふ~っ。