七十七歳の冒険。
やっぱりというか遂にというか、股関節の手術が決まった。片足だけだったが、完全に変形性ということで一部壊れているようだ。聞くだに恐ろしい手術だが、担当医は事もなげに説明してくれる。この医師は専門医ということで、自信たっぷりで、まずはそれで安心する。そして同じ医師に執刀して貰った複数の人から絶賛されたのもある。だから問題はないんだろうが、昨日宣告を受けて帰宅してから全く食欲が無い。この私が!それにしても人気のドクター。年内は二日しか空きがなく、そのうちの一つをチョイス。てなことで、年末年始は病院ということに。お初~な体験。心細いらしい夫の生存確認は娘が請け合ってくれたが、さて。
一晩寝たらスッキリして、予定通り友人宅でのランチ会に出かける。彼女がキッチンの改装をしたので、キレイな内に来て、というのでもう一人の友人をひらって出かけた。似たような年齢の女三人。五時間近く喋り倒して解散。10分ほども帰ったときスマホが鳴る。助手席のYさんが対応しているのを聞くと、頂いたおでんを彼女が忘れてきたらしい。でもって、又逆戻りと相成る。そんなこんなもあって結局今宵のわが家の夕飯は、ランチのお惣菜のお裾分けとYさんの持たせてくれたスペアリブのスープで完璧。楽した~の一日。
今日の話題はかなり面白かった。三人の共通項はともに長年シェイクスピアの講座を受講した仲間だという点。似たような趣味嗜好を持ち、この年齢になっての自分の人生を振り返る作業はそれぞれではあるが、後悔あり、自画自賛あり、生きた時代の影響にも及び、残る人生をどう生きるかにも。。。音楽が特に好きな三人のそれぞれの経験を話すのだけでも本当に幅がある。過去の話だけで無く、現在進行形というのも嬉しい。Kさんはよく上京してコロナ禍の今も親子でコンサートに出かけるらしい。旅の話は日本だけで無く海外の話もそれぞれユニークな体験をしていて面白い。若かったとは言え子供や夫を置いて半年も外国に家出したという豪傑のKさんの話は特に面白かった。その頃は、「女は子育てや家事だけしてたら良いのか?」という反抗心が優先したらしいが、今になって思えばそれを許してくれた夫も大きい人だったという。
現在その旦那様も亡くなられて7年になり、落ち着いてマイペースで人生を謳歌できているとのこと。いつも感心するが、シンプルでありながらその広い空間をセンスの良いもので彩り、片足が不自由でも快適に過ごせる環境にしてある。今日のランチはウーロン茶から始まり、食事は全て彼女の手作りで、和の出汁で味を取った上品な味わいのおでんは味が良くしみて美味しかったし、畑で採れたというマンバのおひたし、毎日手を入れるというぬか漬けの野菜達も自分で育てた物。メインは海鮮丼で、おひつご飯で手際よくとろろや野菜のトッピング、特に拘りのわさびが良くきいて魚が苦手な自分も美味しくて完食。いやあ、外食よりも断然良い。それにこれだけお喋りしながらというのはこのご時世出来ないんだから。。。時々大きなガラス窓から見えるお庭の紅葉やサザンカなどを愛でながら、心地良い時間を過ごし、締めはお抹茶。なんという贅沢。しっとりと雨模様ではあったが、心は温かい。
年末の入院まで、毎日忙しくなりそうだ。