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2022年11月 4日 (金)

美しい一日。

午前中は娘の朗読の活動チラシ作成に追われたが、それほど凝ったもので無かったため、此方の持っているスキルでナンとか仕上がってそのまま二人でカレーうどんを食べに行く。ここは母校のすぐ側にある、障害者支援のお店だが、味も対応もとてもお気に入り。期待通りの美味しさに満足して、予定通り男木島を目指す。間もなく瀬戸芸の開期が終わるからというので、行ける日を探っていたが、スケジュールよりも体調の方が不安ではあった。今日の好天気に、別に無理をしなければなんとかなるだろうと踏んで思い切って出かける。これが大正解。寒いかと持って行ったヒートテックのTシャツは、着たり脱いだりを繰り返しつつも軽装で大丈夫だった。それに何よりも海が本当にキレイ。娘が車を駐車場に入れに行ってる間に、岸壁にたむろしていた鳩を眺めつつベンチの虫と化す。背中にはぽかぽかと日が当たり、白い雲がたなびく青空の下、眼前に拡がる島々の影、赤い灯台、桟橋に打ち寄せる波、行き交う船の蹴立てる白波を見ているだけで飽きるということがない。平日とあってか人出はそれほど多くはない。やがて2時になり「めおん号」に乗り込んで、のんびり40分揺られる。そして目指すはK画伯の作品を展示している古民家。

道中こんなに急な上り坂だったかしら?とぼやきながらではあったが、なんとかかんとか目的地に到着。開期中は常設のカフェを横目で見ながら、先ずは作品を拝見。モチーフは「踊り」。ずっと以前に阿波踊りをテーマに描かれたのを見たことがあり、あ、あれだとすぐに納得。「瀬戸内ダンシング」と名付けられた空間は斬新なものだった。入場するなり、「お、面白いなあ~。」と言いながら入ってくる人も居て、なかなかに盛況。

カフェではアイスクリームをチョイス。娘はレモンスカッシュ?いや、レモネードだったか?とにかく欠食児童のように夢中でアイスクリームを平らげたので、隣を気にもしてなかった。いや~、もうこれが限界。本当はそこを起点に一杯見るところはあるんだが、本日はこれにて退散。兎にも角にも往復自力で行けただけで御の字。ついこないだまで、股関節の手術をすべきかどうかと悩んでいたんだから、今日は奇跡のようなものだ。杖さえ突いてないのだから。

が、船は此方に都合良くは出ない。船着き場で1時間待つ羽目になる。でも、暑くも寒くもない場所で、ぼんやりと椅子に腰かけて辺りを眺めているのも悪くなかった。丁度作品が殆ど出ている集落が見渡せて、普通の民家と芸術館とが混在している様は色んな事を考えさせた。「瀬戸芸が無かったら、絶対この島には来なかったような人達が一杯来て、島の人達はどうなんだろうねえ?」と娘がつぶやく。お互いに檻の中の動物をあちら側からとこちら側からと物珍しそうに眺めている感じかな?と私。200人足らずの島民の三分の二が高齢者だそうだ。

ふと見ると、いつの間にか最終便に乗ろうと島のアチコチから人が現れて長蛇の列が出来ている。おお、一番で良かった。船はこの列の人達で一杯になったが、途中女木島からも大勢乗り込んで来て、なんだか船が沈んだような気がした。何度も救命具の場所やもしもの時の事がアナウンスされるが、誰も真剣に聞いてる様子はない。これって、コロナと似ている。怖くてどこにも行けず何も出来ないと言う人は、こうした満員の船には乗れないというのと近いか?

瀬戸内の殊の外美しい夕焼けの中、一路高松港へと船は進み、どこからか、ネオン輝く高松港を見たんだろう人の声。「へえ~高松って大都会じゃない?」

大都会ねええ~。ま、島から見るとねえ。

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