市民オペラちぇちぃりぁ、最後の会議。
今宵はちぇちが解散宣言をした公演から、始めての会合だった。コロナに感染して回復はしたが用心のためという一人の欠席者を除いて全員が集合した。一月半会ってないと、最早懐かしいという感じがする。
みんな、今日が最後だというしんみりした空気を纏いながらも、四方山話もありいので、ほんわかとしたものも漂う。みんな大人だ。
今日の一番の目的は会計報告だったが、可哀想な会計君がちゃんと報告書をまとめて持参してくれてスムーズに運んだ。前任者のMさんから、「良かった~」とにこやかに渡されたときはそれ程とは思わなかったが、本当に二度とやりたくないお仕事だった、と述懐する。さもありなん。本当にご苦労様と言うほか無い。
どんな仕事も経験しないと本当のところは分からない。きっと想像を超えた大変さがあったのだと思っている。それを愚痴るでもなく、にこやかに報告する辺り、彼も大人だ。
そして、団長の発案で、少々出た赤字をみんなで折半することで終りにしようという結論になった。正直これは最良の結論だったかも知れないと思いつつ、なんとなく申し訳無いという気分にもなる。プランニングの通りの経過を辿れば起きなかった赤だから、主要メンバーで補填しようと考えたのだが、、、、やっぱりみんな大人だった。
残る作業は衣裳部屋の片付け。全部捨てるとなると、軽トラ一杯では無理だから、ナントカ売れる物は売り、差し上げるものは差し上げ、軽くしてから廃棄しなくてはならない。完全に部屋のお掃除までやってキーを返却するまでを、どうやれば良いか、あれこれ相談した。色んな意見が出たが、取りあえず決めた日程までに諸々出来る事をやり、最後に全員で一気に整理から廃棄までをやってしまおう、となった。ま、公演と同じで、一人では大変だが、みんなでやれば案外それほど時間が掛からないかも知れない。
兎に角、涼しくなってから一斉にやろうとなった。これで懸案事項は一件落着。
会長が、DVDをこれまた格安で作成してくれるとの発言。自分自身は本番は横からしか見て無いから、大いに興味があるのだが、会長曰くどうやらチラホラ、ミステイクが起きていたらしい。観客に分かるほどではないと言うが、逆にそれは見る楽しみが増えた。過去の作品でも、爆笑するようなミスが多々起きている事を思い出す。
最後に各自一言ずつ発言してお開きとなったが、一人一人の声を聴きながら、喉の奥に詰まる物を感じた。その場に居た人もそうだが、 かつてここにいて、共に切磋琢磨していた仲間達のことも思い出す。そして数え切れないほどのエピソードの断片も、脳裏に浮かんでは消える。一人一人話し終わっていく内に、段々「終」を感じていく。
遂に、会場の制限時間となり、バタバタと片付けをして、外に出る。夜9時だというのにまだ生暖かい湿った空気が折からの風と共に頬をなでる。「お疲れ様でした」と三々五々散っていったが、心なしかトーンが低い。
が、自分自身は案外大丈夫に思える。以前ある先生が、「命より大事だったことでしょう!」というお便りを下さったが、命もいつかは尽きるようになもので、何もかも受け入れるほか無いことは分かっている。。。。大人だもん!
みんなにも伝えたが、ちぇちの名前だけはまだ一年ほど残さなくてはならない。一年かけてゆっくり終わろう。とも思っている。