鐘。IL CAMPANELLO。
今日、迫力のある警鐘を鳴らしてくれたお人が現れた。股関節を甘く見てはいけない的な、兎に角寝てなさい的な鐘をしっかり叩いて帰られた。実はご自身の方が術後で、どう考えても私を気遣っている場合ではないと思うのに、ご親切にも体に良いものをチョイスして届けてくださる。こちらはアリガタヤの鐘が鳴る~~。丁度そこに夫がご帰還。良いところで出会ったと言わんばかりにそのお方は夫に、奥さんをこき使ってはダメよ。と釘を刺してくれる。これは有り難かったな~。しかし、どれほどの効果があったかは不明。昔昔、腎盂腎炎になったとき、主治医の先生が、「奥さんに台所仕事をさせてはいけないよ。ご主人が全部やりなさいよ。」と言ってくれたことがあったが、夫は半信半疑で、ヘラヘラ笑っていて、「笑い事ではありませんよ。」と注意されたことがあり、慌てて「ハイ」と返事をし直した事もあった。基本的にそういう人だ。五人兄弟の末っ子で、あの時代の男だ。
たった今、東京の友人からの電話を切ったところだが、約1時間ほども話したかも知れない。彼女の愚痴を聞いたのが主だが、未来のわが家かも、と思いつつであった。わが旦那より5歳くらいお年上の彼女のご主人。かなり大変になってきているようだ。リタイアされて長いし、ご本人も自分の体に起こる予期せぬ出来事にいらついていて、そのとばっちりを受けているらしい奥さんの彼女。共倒れを危惧している。いよいよ我々も次のステージに入るのだろうか。ムムム。
公演の好評がまだ届いているのは有り難いこと。みんなの努力が花開いたということだろう。自分の印象に残った場面を少しずつここに書いておこうと思う。
「実は舞台裏が面白い。」という内容の有名な戯曲があるが、まさにその通り。表舞台でシリアスなことが展開しているのに、その裏側では、色んな事件が勃発しているものだ。今回も知らないところで色んな事があったに違いない。昔の公演では打ち上げでそんな裏話が出て面白いものだが、コロナのお陰でそれは叶わず。。。いつか思い出話として語られる日がくるのかも知れない。
FBで「主役を食う演技や歌をやります。」と高らかに宣言していたA氏。確かに宣言通りの素晴らしい声と特異なキャラクターを見事に演じていた。なかなか誰にでも出来るという役ではない。歌唱力も暗記力も演技力も必要で、リハーサルでカンペを持つ彼に、「なんならどこかにお客様の目に付かない形でカンペを貼りますか?」と言うと、少し考えて、「いや、覚えます。」と言い切った。その言葉通り、しっかり本番には仕上げていたのは流石だ。薬の名前が嫌というほど出てきて、あれを覚えるのはホントに大変だっただろうと思う。その上、最後までああしろこうしろ、とこちらから演技の注文。絶対諦めない演出家は、ゲネでまで注文を付けていたが、彼はそれに抵抗することなくやってのけた。
長年やって来て思うのは、「素直な人ほど良く伸びる」ということ。ココロに抵抗という厚い壁を持っている人は結局持っている才能を出し切れない。これは、舞台上だけのことではない。舞台は人生の写し絵だ。