新しい美、古い美。
今日は晴れてることもあり、珍しく夫と娘とアチクシという組み合わせでブランチ。日差しの差し込むおしゃれなカフェで思い思いのものを注文してゆっくり食事。こういう場所が嫌いなはずの夫も、この店は良く同僚と来ると言いご機嫌で参加した。感染対策はバッチリ。それでもいつ感染するか解らない数字が続いてはいる。にもかかわらず、ゆったり出来たのは家族という安心かも知れない。
で、食後は夫と別れてこっちは娘に誘われてはるばる国分寺まで運転。以前にも訪れたことのある非常にマニアックな家具やさんのその裏に出来たこじんまりしたお店に行く。どうやらその家具屋さんの縁続きの人らしい若い女性がもてなしてくれる。うちの娘の目的はとあるアクセサリーのデザイナーの作品を見ることだったが、こっちはもうそういうのにあまり興味も関心もなくなっているので、ささっと見て、あとは店内をくまなく拝見。非常に面白いお店で、日本の昔の家具や置物、海外からの珍しい置物、彫刻やら布、、、、そんなものの中に、分厚いおよそ30センチはあろうかという古い古い辞書があった。ぱらっとめくってみたが、今やインテリアになっているこの書物は触れれば崩れそうで怖くて十分には見られなかった。それが置かれている猫足の黒檀の椅子には作家物だと後でわかった黒い鳥の彫刻とランプが置かれてある。で、その書物はおじいちゃんの納屋を移築した折、物置にあった物だそうだ。他にもろうけつ染めの衣類とか個性的な洋服がいくつか飾ってあり、販売しているのだろうが、まるで美術館に展示してあるような感じで置かれている。店主が好きな物を好きなように置いてあるといった感じ。娘はさんざん迷った挙げ句白とゴールドのコンビネーションが美しいネックレスをゲットした。この作品は洋服につけてある「タグ」のビニールばかりを集めて様々なアクセサリーに作っているという変わり種。決してお安いものではないが、原材料を聞いたらへ~~~となる。海外でも人気で、パーティドレスにさえつけて評判らしい。今時だ。娘はインスタでこの作家をフォローしていて、初めて四国で展示販売するという情報を知り、早速出かけた訳だ。こういうところ、本当に父親譲りだ。本人は似てると言われるのを相当嫌がっているが、仕方が無い。趣味嗜好があちら似なのは間違いない。で、こっちは言ったもんだ。「又一回千円で貸してね。」そんな日がくるかしら?と思いつつ。
ここの店主のように若い人が、こうした古い物に興味を持ち、その価値を新しく見いだしているのは素晴らしいと思う。今思いだしたが、目黒のおうどん屋さんで、古い家具に藍の印判の食器ばかりを集めて使用していたお店があったなあ。若いご夫婦のお店だったが。なんでもかんでも捨ててしまう今の風潮からすると、これは賞賛に値する。
かといって、現代の新しい器類も生活用品も良い物は良い。かならずしも高級でなくとも心打たれるものはある。キーツの、「美は真実。真実は美。」という詩が蘇るなあ。