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2021年6月16日 (水)

身につまされる本。

あっという間に届いた「老いの福袋」を少しずつ読み進めている。このお方が88歳におなり遊ばしていたのにも驚いたが、その御年までに様々な病気や怪我をされていて、なおかつこうした執筆活動も継続されているというそのパワーに驚いた。TVで見るだけのお方だが、しっかりした思想の持ち主だと長い間思ってきた。が、そういえば近頃あまりお目にかからない。

期待通りの面白い文章だが、あまりにうちの娘との親子関係に似ているのが又面白い。これは矢張り時代なのか?自分自身はあまり母親にああしろこうしろとは言ってこなかったし、最後まで母を人生の先輩扱いをしてきたつもり。だが、この樋口家もわが家も、娘に叱咤叱責されることが多々あるのは少数派?がしかし、わが友人も娘にあれこれ指示をされるような事を言ってはいたな~。てことはケッコウあるのかも知れないなあ、こういう力関係!?

たとえばわが家もただいま断捨離中だが、中には捨てがたい物もあるわけだ。ところが何かと口うるさい娘は、「こんなの30年間も使ってないでしょ!?」と言う。ヒグチさんは、「31年目に使うかも知れないじゃない!?」と応戦しているようだ。「捨てる」と考えただけで身が引きちぎられる思いがする、、、、そうな。いやはや。全く。その通り。まるでわが家を見るような。

このお方は、昨今の難しい老人の症状名を勝手に、「ヨタヘロ期」と呼び、時に笑い飛ばし、時に受け入れ、客観的に冷静に自分を観察している。例えば、「何をしなくても忙しいのがヨタヘロ期」全てに時間がかかるようになって、あっという間に一日が終わる。とおっしゃる。これって、最近の自分の「多忙感」と同じかも知れない。毎日毎日兎に角何かしら忙しがっている。以前は、仕事も一日中絶え間なくやり、余った時間は家事やちぇちの活動や、シャンソン関連、FM関連、などなど、、、詰め込めるだけ詰め込んでいた。今は、それらの殆どをやってないにもかかわらず、なんだか忙しいのは、これか!!確かに、ただいまでかいマッサージ器を撤去しに来て貰うため、それを運び出せるように整理したり、室内用の洗濯機を購入したので、それを設置するために工事の人が作業しやすいようにあれこれ撤去しているので、一応動いては居るんだが、一つしては座り、一つ片付けては、捨てるはずのマッサージ機で足をもみもみ。そりゃあ、時間がかかっているわなあ。これぞ、ヨタヘロ期だあ!

この方より少しは若い自分。なるほど将来そうなるのか?と示して貰っているようなところもある。

例えば食事。80歳過ぎる頃からそれまで大好きだった料理が億劫になり、一時は知らないうちに栄養失調になっていたらしい。ご主人が亡くなり、自分の為だけにというのがそもそもの原因か。しかし、「調理定年」と居直り、どんどん店屋物や外食を取り入れるようにしたらしい。この切り替えも素晴らしい。自分を考えても、料理が好きというのもあるが、手作りでないとという強迫観念にも支配されているように思う。ま、これは母親譲りで身についてしまっているが、切り替えようと思うなあ。要するに無理をしないということだ。作りたいときに作る。良いねえ。

この方がオペラ通だとはしらなかった。海外にまで鑑賞旅行をしたらしい。しかし、そのヨタヘロ期を迎え、段々公演に行けなくなってきて、レーザーディスクなるものを購入。インドア派で楽しもうとしたらしいけど、人間の老いのスピードよりも速い速度で、機械文明が発達し、今や時代遅れの物になってしまったと嘆く。そして一番ここまで読んで面白かったのは、87歳の同窓会のお話。高校時代120名ほどのクラスメイト。40人ほどの集まりで車椅子の人も居たそうな。びっくりしたのは100歳になる担任の先生が一番お元気だったこと、とある。おやおや。これはわが同窓会もそうなる可能性が大だわねえ。87歳でやろうという人がでるかどうかは知らないが!

 

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