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2020年6月 1日 (月)

不思議なお話。

夕べのこと。珍しい人から電話が入る。急ぎ出てみるが、いくらもしもしと言っても答えが無い。辺りの雑音が聞こえるので、ああ間違い電話だな、とそのまま切ってしまう。すると程なくして又同じ人からの電話が鳴る。間違いに気付かれてかけ直して下さったと思い、再び出るが、これ又同じ。大声で呼べば気付いてくれるかと声を高くするが、全く気付かれないばかりか、近くの人が救急車!と叫んでいるのが聞こえる。えっ?と驚いて思わずそのまま切る。これはどうしたことか。何かしら取り込みごとが起きていると思い、しばらくそのままにしていたが、どうも気になる。随分経ってから恐る恐るかけてみると、「ちょっと今主人が大変なことになっているので、落ち着いたら又連絡します。」と言われるので、お詫びしてそのまま切る。

寝苦しい一夜が明け、いつに似合わず6時に目が覚める。すぐにスマホを手に取ると、ラインメッセージが入っている。昨日の電話の主H先生の奥様からだ。いつものようにご丁寧な文調で、電話のお礼が書かれてあり、夫が心臓麻痺で他界しました。コロナの時期ですので、家族葬とし、縮小します。、、、と書かれてある。驚きのあまり茫然としばらくは動けない。色んなH先生とのシーンが脳裏を巡り、最後に交わした電話の声やメールの内容が思い出される。信じられないというのが正直な気持ち。だって2月に別のことで入院されると言われ、それは大したことは無いので、ちぇちの練習にも1ヶ月ほど休んでから参加します、と言われていた。そして予定通り順調に退院されて、コロナのこともあるので、しばらくはお互いお会いしないでいましょう、というご連絡を頂く。預かった楽譜はこうして休養している間に仕上げます。とのメールも頂いていた。そして、お言葉通り、丁寧に仕上げた楽譜がわが家に送られてきたのは、それから暫くして。このご時世、いつ公演が打てるか分からないし、そんなに急がなくても大丈夫なのに、相変わらず熱心な先生だこと、と感心して受けとったものだ。、、、この時点でもしかしたらご自分の体調に不安が芽生えていらしたのだろうか。丁度この頃、自分自身が体調が悪くお互いの年齢のことを話した程だ。ようやく自分の体調が戻り、白内障の手術をします、という報告などして、これまでのご自宅での練習や、色んなご尽力に感謝の言葉を綴ったのが、4月の半ば過ぎ。それから気になりながら、「コロナを考えて、暫くどなたともお目にかからないようにしましょう。」と言われていたので、お伺いもままならず、遂にお目にかかららないままのお別れになってしまった。こうして書きながら、未だに信じられない。悲しくて友人に電話も出来ない。ホントだったら、お互い語り合って先生のことを偲ぶはずが、電話ではきっと泣けてしまって話しが出来ないと思うからだ。

考えると、あの間違い電話が無ければ私はこのお別れを知ることは無かったと思う。全てが終わった時点では勿論入ってきたとは思うが。「蓮井さん。みんなによろしく伝えてね。」という先生からの意思だったかもしれない。きっと無念な思いも強くあったと思う。私たちで古希のコンサートをやりましょう、と何度もお誘いを受けていた。いつも前向きで実行力のある方だった。色々言ってははぐらかしていたのが今になって悔やまれる。

無くして初めて貴重なものに思い当たる。人間て、ホント駄目だなあ。

先生安らかに。そして有り難うございました。

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