涙。
今日は天皇の即位に関する行事の放送で一日中テレビが持ちきりだったようだ。こっちは夕べ、食事の準備をして食べるのがやっとでバタンキューと寝てしまい、途中何回か起きたにせよ、10時間も寝てしまったからこの騒ぎを知らない。起きたら夫は録画番組を見ていたので、何も知らず、大急ぎで顔を洗って準備をしてピアニストのお家へと急ぐ。いよいよ来月に迫ったOさんのシャンソンリサイタルに向けて特訓中なのだ。
無事それを終えて、帰宅してから娘親子と我々夫婦で瀬戸芸に行くことに。この秋晴れの一日を、何とか外で遊ばせたいという娘の要望に応えて、こういうことでもないとなかなか行く元気が無い我々老夫婦、思い切って出かけることにしたわけだ。
全くお出かけには相応しい天気。4人で出かける自体が大変珍しい。それぞれ忙しいし希望が合うことがなかった為だ。とりあえず道中にあるうどん屋さんで腹ごしらえ。こういう時は便利な讃岐。
サンポートの駐車場は満杯の表示が出ていたが、何とか停められて、2時にはフェリーに乗った。目指す男木島までは40分程度。運良く座れて、それがテレビの前。そこで初めて一連の行事を見ることとなった。
なんだろう。不思議と涙が滲んだ。画面でも震災地で握手をされた人々が涙ながらに喜びを語っているし、沿道で一目お姿を見られたと感激して涙を流す人も居る。、、、とすれば、もらい泣きか?でも、自分自身で分析してみると、これは過去に報道されてきたお二人の人生を想う時、特異な環境で、成すべき事を懸命にやり続けて来られて、今尚相当に厳しい世界に入って行かれるその覚悟のけなげさに感動を覚えたのではないかと思う。天皇が皇太子時代にオックスフォードを卒業されるとき、二度とこのような楽しい時間は望めないだろう、と話されたというエピソードが紹介されていたが、それは幼少からそのように教育され続けてきていて、ずっと覚悟の連続だった事を言われているに違いない。そこに巻き込まれた雅子様は、それまでのびのびと自由に生きて来られて、全く違う世界に入って行かれた訳だから、その葛藤たるや相当なものがあったであろうと推察できる。抵抗しつつも最後には陛下の情熱にほだされたようだが、結局入った世界は想像以上に厳しいものだった結果のご病気。そんな中でも懸命に生きて来られたお二人の姿はいじらしく、どうか心の平穏が訪れますようにと願わずにはいられない。
男木島はかなりの外国人で賑わい、夫が声を掛けたカップルは香港から来たと言い、瀬戸芸は3回目だというから凄い。この時期にこうしてのんびり日本に来ているのは、、、、ま、いろんな思想の持ち主がいるってことだ。
久し振りにこの島に来たが、全くと言って良いほど雰囲気が変わってない。これが島の良い所だし、アーティストたちもそこを変えずにあるモノを大切にしている点が素晴らしい。川島画伯のスペースは作品の大きさを受け入れかねているかのようだったが、神秘的で面白かった。併設されているカフェで冷たい物を飲み、再び歩き、おんばファクトリーを覗いたり、先日ニュースで紹介されていた島の図書館にも行ってみた。靴を脱ぎたくないので、夫達を待つべく外のカフェでくつろぐ。空はあくまでも澄んでいて白い雲を飛行機雲が挟むように描く中を、トンビが旋回する。何か獲物を狙っているかのような動きに見とれていたが、後から来た父と子ども連れが注文したカレーが美味しそうに臭ってきたので娘に「わけわけしない?」と聞いて見る。二つ返事でOKしてついでにレモングラスティーのフレッシュを注文。カレーも変わっていて美味しかったが、このティーは今は亡きわが陶芸の師匠がいつも入れてくれていたもので、懐かしく頂いた。。。。毎年誰かを見送っているな~と、熱いお茶をすする。あの潔さは真似したいができるかな~?としばらくあの方のことを想ってお茶をすする。。。
孫べえも本を読んだり夫はうたた寝したりと、全員まったりと過ごし、ちょいと長居をしてしまった。こういう時間はとっても大事。まずは自宅ではできない過ごし方だ。
流石にフェリーにのらなくてはと重い腰を上げる。だらだら坂を右に左にと下りていき桟橋に着くとあっと驚く行列。これが最終便だから当然だった。これは座れないか?とガッカリ。、、、案の定一席も空かず、海をデッキで観てる方が良いという3人を置いて、下のシルバールームに移動。運良く空いていて腰かけることが出来た。後から乗り込んできた島のおばちゃんたちは良く喋り、アメやチョコレートなど色んなお菓子を部屋中の人に配ってくれる。これは初体験。ビックリ。しばらく短歌を捻ったりしていたが、いつの間にかグッスリ。「おかあさん!」というたださえ大きい夫の大声に起こされて慌てて起きたらもう到着。やっぱりまだ疲れてるな~。
全く久し振りの4人のお出かけは、疲れたが、夫にとっても良い時間だったようで、今日は楽しかった~と呟きながら寝室へ移動していたな~。なんか、普通の家族をやったってかんじ。やれやれ。