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2019年7月19日 (金)

一人の死。大勢の死。

昨日一昨日とある方の遺品整理に立ち会った。病弱ではあったが音楽家でもあったこの方の生活は、半分以上が音楽だった事がよく分かるお部屋だった。夥しいβやVHS、そしてCDのジャケットにレコードにDVD、楽譜や教則本なども。そして何よりも驚かされたのは、どこもかしこもキチンとしていたことだった。このマンションで暮らす最後の方は外部からお世話する人が訪れていたと思うが、そういう人には触れられてないだろう場所もキレイにキレイに収納されていた。生涯独身で、障害のある身体でつましく真面目に生きて来られた、その人の生き様を見る思いがした。

一日3時間が限度で、電気が来てない為昼間の作業を余儀なくされたが、幸い必要な光りは確保出来、故人のことを話しながら、粛々と事を進めた。それにしても、こだわりのある重厚な家具類も、楽器類も、すべては処分されてしまう訳だ。

以前病床を見舞ったとき、既に幻覚症状も時折現れいて、「私のマンションねえ火事ですっかり燃えちゃったのよ。何もかもよ~。。」と話されていたのを思い出す。実際は火事ではないが、今となっては火事と同じ事だ。あの方のそう言った後の弱々しい笑顔を思い出す。

ピアノの教師をするまでに積んだ技術も、その後の人生に於ける努力もすべては「無」となった。80年以上生きられたら本望、という考えもあるだろう。ある意味自由を満喫し、好きなように生きた、とも言える。

しかし、次々と出てくるものたちに、どうしても空しさを感じずにはいられない。最後まで明晰な頭脳で人としての品位を崩すことなく逝ってしまった人。様々な事情があったとはいえ、もう少し足繁く通って差し上げたかったという悔いがどうしても残る。あの恐ろしい孤独の中で一人で息を引き取ったかと思うと、それはきっとそうなると予感しておられただろうとは思うけれど、もっと何かして差し上げられたのではないかという後悔が胸を突き上げる。

作業に疲れて廊下に立ち止まると、風が汗を吹き飛ばし心地良い。。。。とりあえず一段落して解散。「Yちゃん、さよなら。又来るね。」とは同行の遠縁にあたる人のお言葉。

 

今日になって、アニメ会社の火災テロ事件が報じられる。こちらは30人もの死者が出る模様。きっと若い情熱に燃えた人も居るだろうに。怨恨説が有力だが、なんか、日本国中ゾワゾワゾワ。いろんな事があり過ぎでしょう?

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