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2018年9月26日 (水)

凄い女性たち。

雨が降る前は、どうしてもむち打ちの後遺症が出る。で、夕食後テレビの前で少々居眠り。目覚めるといつの間にか番組が変わっていて、「樹木希林を生きる」というのが進行していた。

以前から好きな女優だったが、あれほどのキャラを出すには相当内に秘めた強さを持っていたんだろうと思っていたが、この番組を見て確信を持った。なんと凄い人だったか。映画界にとっても大きな財産を失った。
死の直前までの一年間の取材は、NHKの若いディレクターだった。取材の中で行き詰まり、迷子の子供が諭されるように泣きながら彼女の前に座り続けた彼の純粋さも好ましいものだった。「死」の重さの前に、本人よりも取材する側の方が圧倒されているのがよく分かる。彼の心の中には、沢山の疑問符があったことだろう。この人は何故このように死を前に平然と生きていられるのか?何故、治療をしようとしないで、それでも仕事を続けられるのか?何が彼女のエネルギーの素なのか?この極限の状態の中、どうして他人にかくも優しくあり続けられるのか????
番組の中で、「生ききる」という言葉が出て来たが、「ボロ雑巾のようになるという意味ではないのよ。」と告げる彼女の顔に笑いはなかった。
数日前に彼女の事をある人がテレビで語っていたが、「あんな凄い人だから、内田は側に居られなかったんだよ。彼女の生き方そのものがロッカーだからね。絶対敵わない女性だよ、あの人は。」

しかし、番組の終わりの方で、最後の出演となったある映画のワンシーンが紹介されていて、こちらも泣いた。窓辺に腰かけて外を眺めながら、「いの~ちみじ~かし~恋せよ~おとめ~あか~きくちび~るあ~せぬまに~~」と呟くように歌いながら涙が一筋彼女の頬を伝った時、無条件に泣けた。この涙に彼女の人生を重ねたのは私だけだろうか?

今日、同じように死を前に治療をせずにその時を待っているNさんから電話をもらう。とある方の電話番号を調べて電話を受けたいと告げて欲しいというもの。勿論その場でそうしたが、その方は全く現状を知らなかったようで驚かれていた、、、、Nさんは痛み止めによる昏睡状態のまにまに、思い出してはお別れをされているんだろう。

この人も凄い人だ。

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