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2018年9月 4日 (火)

葬儀。

「人食いバクテリア」

なんともおどろどろしい名前だが、これが原因で急死されたと葬儀で聞く。気付いて病院に行ってから1週間というからどれほど恐ろしいものかが分かる。
葬儀は、まるでFさんの叫びが轟くかのような暴風雨の中行われた。死にたくなかっただろう。聞けば暮れに大きなイベントを控え、ご自身の活動の一区切りをそこで終えようとしていた志半ばだったわけだ。せめてそれが終えられてからなら、と本人ならずとも悔しい思いにかられる。
Fさんの師でもあり、長らく親交のあったピアニストの大御所に声を掛けられお隣同士に。読経の始まるまで様々なことをお話ししたが、この先生とも久しくお目に掛かって無く、こういう場所は本当に人と人を再会させる。他にも音楽関係の方も多く参列され、皆さん目を赤くしての立ち話し。
仏教の式が終わると、活動のお仲間がピアノと歌を。「赤とんぼ」「おじいさんの時計」。これには会場からすすり泣きの声があちこちから上がる。
そして、わが憧れのピアニストAさんの独奏。「くるみ割り人形」からの一曲は、いつにも増して素晴らしい演奏となった。本来なら拍手喝采の場面だがそれはなく、、、しかし、その場の全ての人が感動したことと思う。
仏教の葬儀でこれは初めてのこと。他にもあるのかも知れないが、これまで数々の葬儀に参列して、いつも仏教の葬儀って、何だかつまらないと思って来た。しかし、たまたま音楽関係の人の葬儀だったことからこれが実現したのだろう。個人的にはとても良い趣向だったと思う。
しかし、実は今日の読経は僧侶の声が美しく、テノールとバスが絶妙なバランスを保ち、まるで音楽のような読経だった。祭壇の両脇がガラス張りで、外の笹の葉が折からの風雨に激しく揺れるのを見ながらこの読経を聴くのはナント劇的だったことか。、、、こういう僧侶もいらっしゃるんだ。
だから、全部良かった。
補助椅子を出すほどの満席の会場。外は台風が吹き荒れて。。。。駐車場までのわずかな距離でびっしょり濡れてしまったが、Fさんの涙だと思えば、苦にもならず。。。。
「さようなら。有り難う」
あれほど吹き荒れた台風が、嘘のように晴れて、高松に住んでいることに改めて感謝。

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