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2017年1月 8日 (日)

雨の日のまったり。

とりあえず今日は差し迫った用事がないのを良い事に、夕べから夫に「朝寝宣言」をして、その通り10時まで3度寝をした。まあ、寝たのが午前2時だから、睡眠時間そのものはフツウ。起きてみればもっけの幸いの雨。しかも、これまで降るのを我慢していたのか、結構な降り方。水たまりを蹴散らしながら通り過ぎる車の音が懐かしい。

今日一日はサボりの日、と決めて、昼ご飯も気の歌会で頂いた大きなどら焼き一つ。寝転んでテレビを付けると、「戦場のピアニスト」がかかっている。途中だったが、以前二度も見ているから問題無い。お正月にこういう映画も良いだろうと、最後までじっくりと観賞した。

先が分かって居るだけに、感動的なシーンの前が来るともう泣けている。ピアノが素晴らしい演奏を奏で、涙を煽る。

戦争やヒトラーを憎むだけではなく、そう生きざるを得なかった人びとの苦悩と悲惨さも余すところ無く描いて、そこにあのピアノだ。その音色はもう神の領域を思わせる。終戦を前に人間たちの頭上に降り注ぐ美しい音色は、人間の愚かさをいやが上にも際立たせ、築いてきた自分たちの全てを破壊してしまった行為を浄化してくれているかのようだった。

これが実際にあったことで、このユダヤ人のピアニストを助けたドイツ人将校が捕虜収容所で亡くなったということまで描いているが、一人ピアニストを救っただけではあの大きな罪をぬぐい去ることは出来なかったということか。多くのドイツ人が、自分の正義から彼を匿い何度も危険から守ったことも描かれていて、その彼らは全員死の制裁を受けたという、これら全ての悲しみがピアノを弾く彼の胸中を巡っているのが痛いほど分かる名演だった。この俳優の小さな、見落としかねない唇の動きや、瞼のピク付き。動きの中の間合い。何度見ても素晴らしい。

 

こうして感想を書いていると、突然の来訪者。海外帰りの若者夫婦がお土産を持って立ち寄ってくれる。再会を約してお茶も差し上げないで帰してしまったが、ここで初めて目がさめた。

平和って、なんて良い事なんだろう!

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