アニメ。
夕べたっぷり寝過ぎたのか、目覚めは良かったにもかかわらず、全体にしゃんとしない。家事をしながらも段取りが悪く、今日こそは歌を覚えるぞと心に決めていたのも何処へやら、目に付いたところを片付けてみたり、台所が気になって、捨てるモノを選り出したり、要するに気が多くて、あっち飛びこっち飛びの動き方で遣っているようで進んでない。今もある忘年会のお知らせを、いつもならパソコンでやるのを数枚だからと絵はがきを出してきて全部手書きでやっつけたところ。こういうことをしているから、結果あっという間に一日が終わる。
一日は短い。一週間も短い。一ヶ月はいつの間にか過ぎ、一年はもっと速い。、、、そしていつの間にかお婆ちゃん。こんな筈では無かったと、何となく落ち着かない気持ちで居るところに、ボンヤリとテレビ。宮崎駿監督の引退後を特集していた。あのお方は75歳らしいが、番組の中でぐさっと来る一言が、、、。「時間が無い!」おおそうだ、時間が無いのだった。時間が無い。だのに、私はナント無為な日々を過ごしているのだろう!
そう思ったら何となく涙が出て来た。
宮崎監督はそこで決心する。最後の映画を撮ろう。完成前に死ぬかも知れないが、死にたくないと思う日があるかも知れないが、5年をかけられなくても、長編映画を制作しようと決心する。まだ妻には言ってないけどね、、、という言葉に、夫婦の会話が透けて見えた。もしかしたら老後をのんびりと、奥様は考えていたのかも知れない。しかし、あの偉大な人は最後まで突っ走る決意を固めたのだ。。。。。その直後、片腕のスタッフが亡くなるという悲運が。頭を抱える監督が痛々しい。それでも一度やると決めたらやると言う。
基本的にアニメは余り好きではない。それでもこの監督の作品にはこれまで何本か触れ、なるほど、一ジャンルを確立しているとは思った。「千と千尋」は特に印象深かった。でも制作の過程までは知らなかったので、今日のたった一つのカットにももの凄いエネルギーを使って居るのを見て、そして、CGを駆使する今の映画業界に明らかな嫌悪感を表すのを見て、今さらながらこの人の偉大さを知った。面白かったのは、CGの制作に携わっている人たちが、明らかに面白がってくれると思って監督に見せた一つの画面。「不気味さ、気味悪さ」の表現ですと、作成者は言うが、あまりのグロテスクさに怖気が立った。黒人の男性の裸体に見えるモノが画面の中を苦しげに悶え、のたうち回るというもの。黙って反応を見せずにいた監督は、むしろ哀しそうな表情で、「これ、面白いの?」とぼそっと言う。会場がその一言でシ~ンと静まりかえる。空気を読んだ制作者が、「これは実験ですから。。。。こんなことも出来るという一例ですから、、、」としきりに弁解するが、監督は無反応。やおら監督はふたたび口を切る。「僕はね、毎日のように障害を持ってる人と会うんだよね。これを見てると、その人と重なって、観ていられないんだよね。」と静かに、しかし決然と言う。
この事件に直接関係があるかどうか分からないが、「今の時代に僕が作らなくてはならないものがあるような気がしてきた。」と語るこの人の重大な決意に、心から声援を送りたくなった。「カントク、がんばって~~!」
夫がミニ同窓会から帰宅して、来年最後の同窓会を遣ることになった、と。そうか。そうなんだと我が身に置き換えると、やっぱりあと1,2回出来るかどうかというところに来ているんだと。。。
人生は短いなあ~。
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