世界的異常気象、体験記録。
常夏の国、とばかり思っていたハワイが行って見るとメチャクチャ寒い。日焼け防止で持って行った長袖カーディガンがまさかの防寒着に変身。それでも足りずにヒートテックを重ね着の有様。勿論泳ぐどころではない。が、ビーチにはそれでも強者どもが水着で遊び波乗りに興じる人も結構多い。
「寒い」「寒くない?」という言葉を一体何十回口にしたことか。ここ、ホントにハワイ?てなもんだ。
この感想が我々だけのものでない証拠に、週半ばに部屋に来て貰ったハワイ式マッサージ師さんはここに25年住んでますが、こんなの初めてです、と仰る。2,3年急に寒くなるときがあって、異常を感じてはいたという。やっぱりねえ。23年前に来たときはしっかり夏だったもんねえ。
しかし、神は我々を見捨てなかった!旅の最後の日、この日だけは朝から一日中カンカン照りの好天気。念願のワイキキビーチで3歳のチビと婿どのの3人で大いに遊んだ。何とも言えない水のなめらかさ、白い大波が音を立てて迫ってくるのに、流木よろしく転がされて、それが如何にも楽しい。すっかり童心に返ってはしゃぐアチクシにお嬢の冷たい一言。「お母さん、トドみたい。」そりゃあそうだろう。客観的に我が身を想像してもきっとそうだろうとは思うが、何もホントのこと言わなくても!
実は到着した時点で、お嬢の家族は全員風邪っぴき。コンコン咳をしまくって、こっちはうつらないかと戦線恐々。子供と婿どのはそれでも段々良くなっていくのが分かったが、お嬢一人、いつまでも体調が悪く海に入ることも出来ない。しかしハワイが3度目になる彼女はみんなを誘導せねばと言う思いがあったのだろう、次々とプランを立てて我々を引っ張っていく。こっちはな~んにも考えないで、ひたすらハイハイと付いて行くのみ。行く先々で「ふ~ん」「は~ん」と驚いたり面白がったりしていたわけだが、時折異常に疲れを見せる彼女が気にはなっていた。
が、これが先々とんでもないことになろうとは!
ま、それはともかく最後の晩餐を、彼が探してきたビーチが目の前に開ける素敵なレストランでサンセットを観ながらの夕食を取る。ここはヤッパリアメリカン。ダイナミック料理に美味しいカクテル。完全に太陽が海に沈んだとき、店内もビーチも拍手拍手に驚いた。これぞ自然と暮らしているという実感が湧いてきたもんだ。すっかりご機嫌になってほろ酔い気分で帰宅。しかし明日は帰るから、荷物の整理をやっとかなくては、、、、。
最初から捨てるつもりで持って行ったものがけっこうあって、それやこれやで思った以上に時間が過ぎる。遣っているときに時々ベッドに突っ伏すお嬢を横目で見ながら、大丈夫かいな?と想いながら、自分のやるべき事に精を出していたその時、遂にお嬢が叫んだ。「救急車呼んで!」
わっちゃ~!どうするどうする?と婿どのと大慌て。24時間体勢の旅行会社の電話受付にともかく電話して、どこにかければ良いかを尋ね、救急本部に電話、部屋番号を教える。するとあっという間に救急車到着。どやどやと土足で(本来は土足でも良いが、我々は日本式のフロアにして貰っていたにもかかわらず、それを言う気も起こらない。)8人くらいの屈強な体躯の隊員が入ってくる。誰一人日本語が分からない。さあ困った。こういう場合はホントに困る。症状の説明が上手く出来ない。しかし血圧、脈拍、酸素のパーセンテージなどを調べ、二人の隊員を残してあとはさっと引き揚げる。そしてものの数分で部屋を出て救急車に。チビを婿どのに託してこちらが付き添ったが、まさか海外でこんな体験をしようとは!
車は高速を通りしばらく走ってとある救急病院へと搬送された。ここでも壁になったのは言語。日本語の出来る人が今は居ないと言われ、どうしようかと思っていたら最初のドクターが、24時間体勢で通訳をしている場所に電話をしてくれて、携帯電話による3者通話が行われた。これは有り難い。そこから次なるドクターに変わり検査員に変わり、、、それが全て同じシステムを利用してのものとなった。これによって本人も安心出来、出された薬も信頼して飲むことが出来たわけだ。いや~、これは有り難かった。ここはやっぱり観光地なんだ。
朝の7時過ぎに病院を後にして、タクシーで部屋に帰ったが、チビはパパと一緒のベッドですやすやと眠っている。
大人達がパニクっている時、私の足にすがりついて泣き叫ぶので、「しっかりしなさい!お母さんは大丈夫だからねっ!男の子でしょ!?」と叱責すると温和しくベッドにちょこんと座って事の成り行きを観ていたが、いよいよ母親が搬送されるときは、我と我が身に言い聞かせるように、「お医者さんで注射してお薬貰って、すぐ帰るんだよね?キュウキュウシャでいくのは良いことなんだよね?」と泣くのをこらえながら大声で叫ぶのを聞きながら置いていったことが思い出され、寝顔を見て不憫な想いがしたことだ。
お嬢は発作が起きたとき一瞬もうダメだと思ったようで、自分に何かあったらお母さんこの子をお願いね、とまで言ったもんだ。勘弁してよ。のこころ。が、勿論そんなことは言わずハイハイ、分かった分かった、と言いつつ何となく死の危険からは遠くなったと思っていたのは、母親のカンだったか。
帰国してから、どうもこちらが風邪っぽい。昨夜高松に着いて急に咳き込み始めた。彼らの風邪とは違う感じ。こっちはきっと疲れからだろう。しかし今日から母親を見ることになって、うつしてはいけないから病院に行ってインフルエンザ検査と点滴。インフルエンザでは無かったのは嬉しい。ま、今日の所は眠って、体力の回復に努めるべし。だ。
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