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2013年3月18日 (月)

心が動いた日。

朝、とあるボランティア団体の方々を初めてお訪ねする。一度聞いてすっかり忘れて居た地図を再び電話で聞いてくねくね道をたどり着く。思いがけなく歓待されて、恐縮してしまったが、目的は充分達成できたと思う。同じ香川県にこのように充実した活動をしている(しかも皆さん結構な年齢だ)人々が居ることが妙に嬉しかった。皆さんのお話を伺うとそれぞれが色んな特技をお持ちの方の集まりで、こうした本拠地を確保して地域で表彰もされているほどのご活躍。お近づきになれてとても嬉しかった。こちらのやっていることにもとても興味を持って頂き、コラボの実現が上手く行きそうな予感が、、、。

小一時間話し合いをして丁寧なお見送りを頂いて、暖かい日差しの中を車を飛ばし次なる目的地サンポートまで移動中ふとSさんの顔が思い浮かんだ。「そういえばこの辺が彼女の住まいじゃないかな?」と車を停めて電話してみると矢張り近い。小高い丘の上の住宅街の一番高いところにその家はあった。斜面に建つここは下へ下へと部屋が造られていてユニークなシンプル設計。モダンな造りは住人の人柄にぴったりなたたずまい。壁には一風変わった絵画が掛けられ、犬が二匹も居るとは思えない掃除の行き届いたキレイなお家。最下位の部屋からテラスに出れば目の前に五剣山の全貌が拡がる贅沢な借景。外には2ヶ月前に生まれたという子ヤギとその母親がのんびりと柵の中。器用な主は只今ゲストハウスを建設中、というのを見ると立派なおしゃれな建物が出来つつある。犬アレルギーの人用の部屋らしい。いや~、若い頃人生の辛酸を舐めた彼女だがこうしてここにたどり着いたか、、、、と感無量。幸せそうな様子に嬉しくなって再来を約束して細い下り坂を又くねくねと下りたが、色んな所に人って住んでるなあ~とキョロキョロしながらだった。

どこでお昼を食べようかとコンサートの時間をにらみながら考えたが、パスタや中華などは隣の席の人を考えると止めとこと気持ちが固まった時、目に止まったうどん屋さんへと入って見る。うどんはともかく、だしが自分好みではなくちょいとがっかり。チェーン店があちこちにあるんだけどなあ~。

目的地に着いたがまだ少し時間があり、めったにしない行動に出る。サンポートの1階部分をあちこち散策。自動車の新作発表やペットなんかのブースもあったがどれも素通りしてなんかイベントをやってるらしい所も横目に見ただけで、結局うどんの口直しとばかりソフトクリームを食べ、ようやく良い時間に。

Yさんのテノールコンサートは予想通り素晴らしい声と歌唱力で観客を楽しませた。訓練してかっちり作り上げた声を最大限生かしてしっかり歌ったという印象だ。伴奏のO先生も素晴らしかった。特にグラナダの演奏は細いお身体がムチのようにしない、ピアニストを見ているだけでも興奮した。白髪頭のT先生がず~っとビデオかカメラを構えていらしたのは個人的ご趣味かなあ?

実はこのあと通りがかりに知ったシャンソンの発表会にも顔を出した。こちらは歌は勿論、声も歌唱法も全く違うもので、プロとアマの違いもあるが、パンチの点で大きな差がある。中にはおお、と思う人もいたし、伴奏のピアニストやベースはしっかりした人を入れていたので、個人的には楽しめたが、休憩後はごそっと人が居なくなってシャンソンもまだまだ浸透してないのを感じる。

 

本日最後の予定、永く会ってない友人Mさんを訪ね一緒にお勧めの近くの中華料理店に行く。確かに美味しかったが量が多くて、二人でわけ分けしたらちょいと食べ過ぎ~。で、彼女の家に移動して、溜まりに溜まった話しをなんと3時間もしてしまった。大いに喋り、もうすぐ7回忌となる旦那様の思い出話に二人して泣き、共通の友人のうわさ話に大笑いし、お互いの子どもや孫の話に花が咲き、何時訪れるか分からない人生の苦難を東北の震災共々話し合い、,,,結論は、これからしっかり生きて行かなくてはね。というものだった。おしどり夫婦が別れ別れになるとこうなるという典型の彼女だったが、しっかり立ち直って悲しみを乗り越えているのには安堵した。「今日届いたばかりよ」というお野菜をたっぷり頂いて夜更けに家を出る。

、、、しかし、癌に冒されたご主人が若すぎる死を迎えた当時のことを克明に説明してくれると、改めて胸が詰まった。二人して、「未だにテレビを見ながら東北の人々の姿に涙が出ない日は無い」と話しつつ、私は彼女が自分のご主人の事を重ね合わせているだろう事を思い、自分よりも深い同情の気持ちがあることを思った。愛する人を突然に奪われるという悲しみを彼女も経験している。「又時々来るから、彼のことを思い出して一緒に泣こうよ。」と告げて別れたことだが、、、。

 

濃密過ぎる一日が終わった。

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