映画。
永く体調が悪かったため、母へのサービスが行き届かなかったので、一昨日はお天気も良いからぶらっと買い物でも、と誘うと二つ返事で付いてくる。どうやら待ちかねていたようだ。気になっている買い物もあるようだったが、物色したものの購入はせず今日は映画に行こう、となる。友人から勧められていた「東京家族」というものに、ギリギリ間に合いそうだったのだ。
実際着いてみると既に映画告知ではあったが映像は始まっていて、薄暗い中を母を気遣いながら階段を上がる。焦って暑くなってしまい、厚着していたのを2枚ほど脱いでようやく着席。例によって最初の20分は眠ってしまう。
目覚めて、右の母を見ると真剣に観ている。左の老夫婦を見ると、これ又真剣。「ほ~、そんな映画なのか。」と座り直してじっくり鑑賞。ストーリーに意外性はなく、淡々と家族模様を描いているだけだが、役者の醸し出す雰囲気と、ありそうなお話しが自分と近く感じられ、同調してしまうところが多い。そのため、泣ける。左のご夫婦も特にご主人の方が良く泣いて居られたのが印象的だったが、母もしきりに涙を拭う。「悲しい」のではない。「哀しい」のだ。人間として生まれたら、必ず死んで行かなくてはならないし、当然出来た人間関係も切れてしまう。その運命を登場人物たちは静かに乗り越える。それは特別な「お話し」ではない。明日の我が家かも知れない。主役の一人母親が68歳で突然死するなんてのは、アチクシの年齢に近すぎてムムム。なのだ。
この映画は、出来るだけ高低のない、強弱のない、しかし生きているから起きる様々な事象を描いているが、役者も押さえた演技と口調で,,,如何にも日本人が好みそうな捕まえ方だと思った。役者も橋爪功、吉行和子、を初めとして蒼井優、小林稔侍という面々。渋い!翌日これは昔の小津安二郎映画の焼き直しだと後から友人が教えてくれる。道理でねえ。昔の映画にはこういう手のものが結構あった。
で、ニュースに今年日本映画がダントツの興行成績だと出た。確かにねえ。母の為、映画はなるべく日本映画を見に行っているが、結構面白くなっている。行ってから後悔するということが余りない。日本人も頑張って居るなあ。
と思ったら、柔道界があれだ!いやはや、どう考えたら良いの?「ミチコ、ワカンナイ!」
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