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2013年1月24日 (木)

観劇。

すっかり忘れていたが今宵は観劇の日。お世話してくれる友人から℡があってようやく思い出したというお粗末。付き合いが長くなると、あるかも知れない私のドジまで分かってくれて、ホントありがたい。頭の中の予定表にこの一個を無理矢理入れて、お陰でピアノ合わせもそこそこに間に合うように行けた。

「○○のエノケン」というジェームス三木作・演出の音楽劇だった。全体に軽いタッチで描かれてはいるが、エノケンが生きた時代も、当時の価値観も描かれ、風刺の効いた作品だった。

最も感銘を受けたセリフは、「鯛の絵を描く人と鰯の絵を描く人のどっちが偉いか?鯛だろうが鰯だろうが、上手に書いた方が偉いに決まっている。」これは名言だ。この芝居では、歌舞伎や新劇の役者と喜劇役者のことを比べているが、どんな芸術にも当てはまるだろう。歌の世界もまさしくその通り。文学だってそういえるのではないか。

作者のジェームス三木はこれを日本人の国民性ととらえているが、それはあるかも知れない。お笑いは低級で不真面目という価値観。そういうものに抵抗していったエノケンに興味を持った作者の気持ちがよく分かる。例えばアメリカなんかでは、チャップリンを初めとして色んな凄い喜劇役者が輩出されているが、それが低級だという評価を受けているということは聞いたことがない。(知らないだけかも知れないが)先日も日本映画専門チャンネルでチラッと古い映画にエノケンが出ていたのを観たが、喜劇王と呼ばれるに相応しい役者振りだった。評価はともかく、藤山寛美やこないだ亡くなった虎さん、、、、って、名前が出てこない。けっこう沢山笑いを追求してきた役者も居るけどねえ。みんな「笑い」は好きな筈なんだけどねえ。

 

この舞台、出演の役者さんが全員何らかの楽器をやるが、どう聴いてもその道のプロという感じはしない。多分もともと心得が無くてもやらなくてはならなかったんだろうが、、、、歌って踊って、ソロのセリフが沢山あって、、、大変だ!エノケン役以外の人がみんな若手で、多分演奏する曲も知らなかった世代だ。私よりももう一つ上の世代にマッチする流行歌だなあ、あれは。言えることは、戦前のあの時代は何だか知らないが生き生きしていたようだ。はやり歌そのものが今頃の歌とは違うエネルギーを持っている。あれは何なんだろう?ラストシーンでは舞台で全員が歌って踊り、それに観客が手拍子をするという昔昔のエノケンが活躍した時代そのままに盛り上がった。最後の最後はおお懐かしい!タップダンスの群舞だった!以前ミュージカルをやっていたとき、第1回公演で(即ちアチクシも若かった)ラストに踊ったタップダンス!あの興奮が一瞬甦った。

 

この市民劇場の今年の演目はホントに楽しいものが目白押し。3月には「夢千代日記」があるし、「ハムレット」や「加藤研一事務所の作品も来る。わざわざ県外へ行かなくてもこちらで楽しめるのは有り難い。

ボチボチ暮れの公演に向かって、脳もウオーミングアップだ。

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