ナゼかいつも何かが降って湧いてくる。
今回のはなかなかに楽しい事が降ってきて、しばし良い気分に浸れたもんだ。
東京の友人Kから、「明日実家のひな祭りに合わせてそちらに行くんだけど、夜ご飯一緒にしない?」という電話がかかる。彼女とはつい先日も東京で会ったばかりだったが、ご主人とは何年もお会いしてないので、Okと即答したもんだ。評判の中華のフルコースと聞いては尚更のこと。ダイエットは明日の明日から!だ。
ところが、その明日が来てKのご実家の明治大正時代の由緒ある雛飾りやお歯黒のお道具などを見せて貰っていざ移動という段になって、そのレストランが一杯で、午後8時からしか予約できなかったので、「アナタ、我々夫婦と一緒の部屋で良かったら泊まって帰れば?」素敵なホテルだし、というので、チョイと迷ったが思い切って止まる事とした。夫にはあとで了解を取ることとして、早速吾が車で移動。
、、、このホテル。全く存在を知らなかったが、「ええ~!?まるで日本じゃないみたい」、と絶叫したくらいに凄いホテル。黒い鉄の門を入るとそのホテル本館へとうねうねと曲がりくねった道が、よく手入れされた植木の間を長く続く。広大な面積の土地の中に、いくつものお城のような建物が建っている。ふひょ~っ。これは全く知らなかった。そういえば11号線から遠くに見えたこの建物は、てっきりどっかの宗教団体のものかと思っていたが、ホテルだったんだ!!駐車場に車を停めて、ロビーに入ると高い天井と高級そうな絨毯を敷き詰めた床、至る所に飾ってある彫刻類に目が奪われる。室内も以前イギリスでポンドの計算を間違って泊まったヒースロー付近のホテルみたいに豪華だった。カーテンに至るまで。
気の毒に、部屋はツインベッドと和室なのに、ご主人が和室の方に寝て下さるという。どうせ積もる話しがあるんでしょう!?とか言われるが、実際は二人ともたっぷりの温泉とたっぷりの食事のあとはベッドに入って喋る元気もなく休んだことだ。ご主人が思ってるほど我々は若くない。それに、部屋に帰る前にロビーで女性の弾き語りもあって、観客が我々二人だったので、そこでも充分楽しんだのだ。そういう場所に行き慣れているそのご主人が、「あまり面白くないかも知れませんよ。時々耳を塞ぎたくなるようなのが居ますから、、。」と忠告してくれたが、これがとびきりではないにしても、ケッコウ聞かせるジャズの弾き語り。たどたどしい日本語でアンコールをどうぞと言うので、あたしゃ4曲も注文したもんだ。たった二人の客を前に手を抜かず、しっかり歌ってくれたのは嬉しかったし、彼女も興に乗ってくれてどんどん歌ったので、「オーノー、オーバーオーバー」と最後は慌てて退場していったのも面白かった。
だから部屋に帰ったら12時前になっていて、そのままベッドインとあいなったのだ。
で、まるで西洋のお風呂みたいな温泉に、朝の6時起きで再び入る。露天が少し寒かったが、冷たい風の中の温泉は血圧を気にする年齢の我々には良いかも。いやもしかしたら、この温度差は悪いかも、、、なんぞと言い合いながら何事もなくすっかり楽しんで、出ようとすると第二弾の人々が入ってくる。流石に一番乗りだったわけだ。
このホテルは温泉もレストランも一々バスで移動する程の広さ。、、、いったいいつ頃出来たホテルなのか。きっとバブル期だろうが、よくぞこんなの建てたもんだ。この手のホテルには以前琵琶湖や淡路で泊まったことがあるが、どちらよりも凄いと思った。山の中というのもあるかも知れないが、日本離れしてるなあ~。中華料理も大変美味しくて、これでもかと出てくる繊細な料理の数々に感激しながら2時間たっぷりの食事となる。余り飲めないご夫婦がグラスビールを付き合ってくれて、こっちはそれの大だからねえ~。全く申し訳ない。、、、しかし、料理は勿論美味しいのに越したことはないが、この日のような会食はお喋りがメインディッシュだ。博識なご主人から色んな情報を教えて頂くことが、一番だった。エネルギー問題の専門家だし、今回の震災関連には人並み以上の関心を持つ方だ。次々と知らないことを教えて頂くこととなった。
このご夫婦は、彼らが結婚式を挙げたときからのお付きあいとなった。勿論彼女の方は高校時代からだから、随分永いお付きあいだ。時々しか会わないでも、お互いが信頼し会える間柄、というのは私にとっての財産だ。実はお二人とも大のオペラファンで、大変詳しいし、よっく観てきている。その点でも話しが合うといういうわけだ。これからも永く永くお付きあいさせて頂きたいご夫婦だ。お互いの息子達も偶然同じ年で、同じような世界に居る。孫も同じ年齢で、共通項が多い。しかし高校1年生の席順が我々の関係の最初というのも不思議なものだ。だから、高校時代は重要なんだ。
今日明日かなあ、、、高校入試は。
で、パーキングまで送ってくれた二人に手を振って仕事があるから9時半までに帰宅しなくては、と別れて颯爽と車を出した、までは良かったが、余りに広くて道を間違えてしまった。で、バックして、慌てて最初の分岐点とおぼしきところから走ってみるとようやくコレが正解の道。黒い門を出ることが出来て、何とか高速を走って走って、時間に間に合うように帰宅出来たが、最初の間違いを御礼メールに書き添えて出したところ、ニャニャント。「二人してアナタの車を上からハラハラして見てましたわよ。なかなか素早い動きだったから感心してたのよ。」と返信が来る。あっちゃ~、ばれてたのか。やれやれ。