長旅のあと、、、。
只今1時。といってもいつもの夜中の1時ではなく、午後1時。あと1時間で海外へと出かける夫を見送るまでのぽかんと空いた時間でパソコンの前だ。外は良い天気。朝の来店客によればむしろ暑いくらいだそうな。不安定な天候だが、晴れると意味もなく気分が良い。
東京と茨城に1週間かけて高齢の母を伴い出かけたのは、「これが最後」と言い続ける母の言葉に、今連れて行かなくてはきっと後悔するだろうとの思いからだった。さぞや疲れただろうと昨日の夜になって電話してみると、案の定声はかすれているし、イマイチ元気が無く心配になったが、「ホントに行って良かった」と繰り返し言うのを聞くと、矢張り良かったのかと思っている。今朝になって電話したら洗濯をして新聞を読んでいるというから大丈夫なんだろう。90歳を過ぎてこの調子の母を見て一番思うことは、「気構え」の違いだ。少々のことでグズグズ言うのは恥ずかしいと思っているからな~。いやはやいやはや、このお方にここまでの精神力を植え付けたのは一体何だったのか。「戦争体験」「貧しい日本」「教育」「家庭のしつけ」、、、そういったものが複合的に創り上げたものだろう。、、、その母が故にプライドもあり、娘の嫁ぎ先のご両親がせっかくご準備下さっていた車いすには乗ろうとしない。「今まで乗ったことがありませんから。」等と言うが、行くときに既に空港で車いすを申し込み運んで貰っているのだ。こちら高松でもスーパーでカートを押すだけではしんどそうな時、チャンと車いすに乗せているにも関わらずこれだ。
今回は東京で衣装関係の物を物色し、舞台も見たが、一番驚いたのは街行く人々だ。まるでこちらが舞台かのように、メチャクチャなファッションで歩いている人の多いこと。一番は、顔を真っ白に白塗りした若者の男女。まるでおとぎ話のお姫様かフランス人形かと思うほどのすごさ。全く物怖じしないで新宿の駅広場を闊歩している。ん~ん、これは一体!?
その後茨城で震災のあと復旧したというアウトレットに出かけたが、ここで購入した舞台用の帽子を羽田空港で身につけている人を発見。あちゃ~、てなもんだ。
このアウトレットは、館内で写真展もしていて、恐ろしい震災当日の写真が生々しく展示されている。もの凄い数の出展があったこのビルも、今はかなりの数のお店が撤退し、全体に寂しい感じが否めない。店員さんたちは思いっきり元気よく声をかけているが、それに返って哀しさを感じてしまう。「土産物売り場」もあり、勿論茨城産のものが殆どのこのお店も、むむむ状態だ。そこでお土産物を買ったは良いが、上げられるお家もあるが小さなお子さんがいる所には遠慮してしまう思いがあるのも事実。
最後の夜は息子の新居でしゃぶしゃぶでも、となったが、嫁りんとスーパーに出かけても、あれこれと今までにない悩みがあって、買い物がなかなか進まない。買い終わった頃にはすっかり疲れて、「買い物がストレスになるなんてねえ~」と言いながら帰路に付いたことだ。、、、しかし、いくら注意してても、子ども達の体内には入っていくだろうなあ~。
今朝のお客様ではないが、「何かしら胸につかえている」という思いが、日本中に蔓延しているのは、矢張りこの放射能問題があるからだ。何十年というスパンで悩み続けなくてはならない課題を抱えてしまった。
でも、懸命に生きることしか私たちには出来ない。目の前のことを必死でやることしかないとつくづく思う。