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2009年11月 3日 (火)

彫刻。

 秋晴れの今日11/3という日は、統計的にも殆ど雨が降らないらしい。多少寒い風が吹いたが、 母と夫の三人で牟礼にある志度の道の駅に行くと子供連れやアベックで賑わっていた。以前から気になっていたそこの「食堂」にようやく入った。 漁業組合という大漁旗が壁にあったところをみると、所々にある漁師さんのお店らしかった。夫は早速刺身二人前をトレーに乗せてご機嫌。 母はうどん屋さんと間違えてたが、魚料理を喜んで食べる。私は、、、魚が苦手な人で、頑張って鯖の塩焼きその他を取る。三人とも満腹となり、 裏の公園を目指してゆっくりと歩く。園の入り口にはセカチューで使われたというタクシーの現物が写真付きで飾ってあった。セカチューねえ。

 ドライブの目的は、川島猛画伯の彫刻の除幕式。テープカットなる物を初めて間近で見たが、若い女性が手袋でハサミを差し出し、 各人がこれまた手袋で受け取り合図で切るのだが、ものものしいやり方がおかしかった。人間のすることはかくもおかしい。

 その前に行われた来賓挨拶やらコンクール選考委員の解説やらが半時間ほど行われたが、 中のお一人が壇上に上がるときによろめいて転んでしまった。誰かが慌てて杖を持って駆け寄ったが、ということはにわかに杖を持つ身となり、 恥ずかしいが先だってこんなことになったのか?まあ、ご本人は何事もなかったかのように長いスピーチをこなされていらしたが、 あとでどっかにでるかもねえ~とは、我々親子の会話。

 テープカットの後は、作品の前で作家が自分の作品について話す、という時間だった。 この公園の海側の小高い丘の周辺に4人の方の作品が置かれていたが、川島氏の作品はダントツの出来だった。母でさえ、 「川島さんのが一番ええなあ、さすがやなあ。」と言う。「門」というタイトルのこの作品。海に向かってまさしく人を海に、空に誘っている。 この素晴らしい彫刻の前で、「自分の作品の前で何か喋るくらいこっぱずかしいことはありません、、、。」と謙虚に話されたが、 矢張り作家の思いを知るのも面白かった。他の三作品と比較しても、シンプルイズベストで、圧倒的な存在感だった。、、、が、 それぞれ他の人達のコメントも面白かった。作家の言葉というのは昔から面白いに決まっているが、今日もその通りだった。 この人達の思いの詰まった彫刻達は、作家がこの世を去った後でもいつまでも残り、時代時代に何かを訴え続けていくのだろう。

 自由にご覧下さいの時間となると高校生の姿もあり、偶然「川島さんと話してみたいなあ~」と話し合っているのが聞こえた。 無理そうなら助っ人に、、と思ったが彼らの希望が実現できて川島さんの母校の生徒さん達と分かり、 一緒に写真を撮るなど急速にうち解けていた。この高校生達は彫刻で美大に進むらしい。「行きたいと思えば、 何回でも受かるまで受ければ良いよ。」「落ちても良いんだぜ。俺だって一度は落ちてるからねえ。」「人生どうなるか分かったもんじゃないよ。 」などなど、、、若い彼らの心が水を飲むように画伯の言葉を吸い取る光景は好ましいものだったなあ。彼らはまさしく今、門の前に立っている。

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