良い音楽と美味しい食事。
今日も今日とて演奏会。ある偉いお方のご招待のため、とってもラッキーな目に遭う。といっても何かを頂いたわけではないが、 ちと早い時間に到着した我々二人は、このホールの構造をよく知っている。「裏から入ろうか?」 といたずらっ子の様にF先生が言うのに促され楽屋口へ。すると、本日の主催者のお一人とバッタリ。で、なんなくどうぞどうぞと裏口入場。 開場前に入ったから、客席には誰も居ない。30分間上等の指定席に座ったマンマ、久しぶりのおしゃべりに花が咲く。
演奏はソプラノとチェロとマリンバ(パーカッション)、それにハープ。4人とも本当にキッチリした演奏をされるし、 ハーモニーも抜群だ。洗練された高級なワインを飲んだ感じ。ソプラノSさんは、 ずいぶん以前に帰省コンサートをされたのを何度か聴いたことがあったが、ずいぶん成熟した女性になられていたが、美声は相変わらずだった。 今回の曲目が全てピアニッシモが基調となっていたため、いわゆるドラマティコではなかったが、その集中力の高さには感嘆した。 言葉が極端に少なく、「ヴォカリーズ」の類の歌が殆どだったのは、声も楽器として編曲しているのだなと思った。
なのに、一部コックリさんになったのは、余りに癒し系の音楽のため、自然に眠くなったのだ。このところの睡眠不足も祟っている。
演奏家が登場してすぐ、「今日はブラボーおじさん来てなきゃ良いですねえ」と私が言えば、「ホントホント」 とF先生が拍手をしながら相づちを打った瞬間、「ブラボー」とでっかい声。二人でつつき合って笑った事だ。今日のような演奏会で、 あのブラボーを傍若無人にやられたらたまったもんじゃない。せっかく出来た良い空間があの声で台無しになってしまう。 歌舞伎のかけ声にしても全部ルールがあるんだ。舞台を盛り上げるなら良いが、ぶっつぶしたのでは何にもならない。
終わってからどっかで軽く食べましょうとなり、新規開拓とばかり25時まで営業のあるお店に。どうやら若者が多い店らしかったが、 ケッコウ美味しくて、満足して帰ろうとしたら若い店長が、「以前のお店でよくお見かけしてました。」と言うのでよくよく見ると、 確かに打ち上げで使っていたお店にいた青年だった。出世して一店舗任されているようだ。「今後ともよろしく」の声に送られて帰路につく。 演奏会の後、あれこれ話しながらの食事はおいしいものだ。