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2007年7月11日 (水)

二人の先達。

 本日、短歌の世界の偉い先生から、書き慣れた美しい文字のお葉書を頂く。 その方の出された御本の感想文を送らせて頂いた事への礼状であった。私の母と同じほどの御年であるが、その文章は生き生きとして若々しく、 きちんと整理整頓されてもいて、う~む、と唸ってしまう。流石文学界に永く生きてこられた方だけのことはある。こうした、 チョットした文章も光っている。

 この葉書の最後のお言葉、「お身体大切にお過ごし下さい。体力も大切な要素です。」とあったには、思わず「確かに!」 と口に出して言ってしまった。体力が落ちているときは、作品もいい加減になるし、そもそも生きること自体が面倒になる。そうなると、 良い作品が出来るわけもない、、、、という事だろう。いやあ、心して暮らさなくてはイケナイ。何しろ人生の大先輩の助言だ。

 

 今夜はNYから帰国していらっしゃるK画伯のアトリエにお邪魔して、昔話など、とりとめもないお話をして帰った。 勧められるままに深夜11時というのに、ヨウカンなんぞ頂いてしまった!

 その前に山際にある「行基の湯」に入ったが、行く時にこの町の若者達が、河に架かる橋に灯りを施し、 幻想的な空間を作り上げた直後にその橋を渡る。湯に入っては、露天風呂を楽しみ、河のせせらぎと共に聞こえてくるカジカの声に耳を澄ます。 ホントに鳥のような声だ。外に出てからは涼しい風を満喫したが、先ほどの若者達が、未だ町の事について話し合っているようだ。 夫が彼らに声をかけ、町の活性化の為に色々やっている事を労っている。そう言えば、前回ここに来たときは蛍だったもんなあ~。それもこれも、 この町の若者達が中心になって、知恵と体力を出し合っているのだ。

 K画伯は今回高松市の中心部の広場や建物にアートを施し、おしゃれな楽しい空間を演出した。 思えばこの方とのお付き合いも永くなったが、初めの頃と全くその容貌に変化が感じられず、 常にクリエイティブな事をやっている方は老けないのかなあ、と改めて感心した。今年は大殺界の筈が、 半年で5回も展覧会をやる羽目になっていて、これで、つぶれたらホントの大殺界だ、とゲラゲラ笑って居られる。

 日頃から「画家の言葉」というのはいつも含蓄があって好きなんだが、この方も例外ではない。いつもお話ししていて、 ハッとさせられる。視点が普通の人と違う様だ。NYに於ける9,11の事も、その時そこにいて、しかも他人事だった、 と微妙な立場に懊悩した事を告白される。以前お聞きしたのでは、その時から全然絵筆が持てない日々が続いたのだった。

 しかし、殆どの場合屈託が無く、いつも笑顔で、そこにいる人を気遣っておられる。今宵も呑むほどに饒舌になり、明るくなり、 良いお酒だ。我々はお付き合いも出来ず失礼したが、さわやかな気持ちで車に乗り込んだものだ。

 

 

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