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2007年4月15日 (日)

吟行?

 珍しく今日はナンの予定もないという夫が、母を連れて美味しいそばを食べに行こうと、朝になってから誘ってくれる。昨年、 矢張り桜の季節に知人と行き、いたく感動したそうだ。私は今日はオペラの打ち合わせがあったが、 滅多にない申し出を断るのもいかがなものかと、、、「ちょっとだけ待って、打ち合わせが終わるまで」 と約束をして急いで打ち合わせを済ますも、案の定終わるのを待ちかねて、いきなり外へ出る夫。 マイペースが乱されるのを嫌う夫のお付き合いもようやくこつが飲み込めて、「5分だけ待って!」 と叫んで必要と思われる物を鷲づかみして車に乗る。母を乗せてから何処へ行くかもよく分からず、行きは三分の二寝てた。 時々起きては葉桜を眺め、新緑を眺め、又目を閉じる。どうやら母が、いつも私の車に乗っても喋ることを、夫にも喋っているらしい。 即ち大昔の話だ。終戦前後の話である。夫にとっては耳新しい話で、所謂語り部の話を聞いているように聞いている。その声を聞きながら、 いつしか又眠る。相当な山奥へと入り、流石に渓谷の美しさに座り直して車窓に張り付いた。澄み切った水が川底に動かず、 白々とした岩がごろごろと囲っている。新緑に少しずつ色を変えている深い山間は、長い間忘れていた景色で、目が休まるのを感じる。

 今日は吟行みたいなもんね、と言うと二人がゲラゲラ笑って、そんなに寝ていて何が吟行だ、と冷やかす。やがて、 お目当てのそば屋さんに到着したが、相当高いところにあるせいだろう、まだ桜が満開だ。足の悪い母が必死で付いてくるのを助けながら、 渓流を眼下に見下ろす外に席を取り、ゆったりと天ぷらざるそばを食べる。野趣あふれる季節の野菜を綺麗に盛りつけてあり、まあ、 借景と相まって美味であった。こんなにはるばる来たら、何を食べても美味しいかも~とそば湯を飲んで腰を上げる。

 帰りは遠回りでも伊野町の「紙の博物館」に行こうということになり、途中道の駅などに寄り道しながら着いてみれば閉館40分前。 ざ~っと見て回ったが、色んな紙がかなりお安いと感じた。これからの舞台用にマークしておこうと心に決めて、帰路につく。「紙」 ってホントに美しいなあ~。

 途中やけに渋滞していると思ったら、後ろからどんどん救急車やパトカーや消防車が走ってくる。 どうも事故らしいと言いながら現場に着くと正面衝突。2車線ある道路で横道がないところを見ると、あれは居眠りかな?車の破損からして、 相当な事故になってるようだ。驚いたのは、その時の渋滞の車数が半端じゃあないことだ。どう見ても道幅が狭すぎだなあ~。 車社会に道路整備が追いついてないのだろう。

 もう一つ驚いたというかナンというか、、、こちらが渋滞して車が動かないので、対向車線を走る車の人の表情から、 この先で何が起きたかを探ろうとしたが、全く分からない。殆どの人が「無表情」「無関心」今正に見たであろう事故現場の事が、 まるっきり顔に出てない。ペアーで乗っている人達も、それについて何か話している風でもない。これは常に無表情と言われる日本人だからか? あるいは事故慣れしている現代人だからか?いやはや、不思議な物を見てしまった。、、、で、着いてみれば案の定凄い悲惨な事故現場なのだ!

 トイレタイムで立ち寄ったサービスエリアがこれまた一杯。そうか、今日は日曜日だった。そこのお店で「紫いも焼き餅」 なる物が目に付き買おうとしたら、幸か不幸か1個しか残ってない。母と仲良く半分こだったが、思わずわ~お、美味しい~と合唱したもんだ。 覚えていたら又いつか買おう~。、、、帰ってご飯炊くのも時間かかるし、どっかで食べて帰ろうよ、と夫に言ってみるも、あっさりと却下。 どうも外食は嫌いなのだ。仕方なく買い物をして帰り、我が家ですき焼きと焼き肉だ。母が「やっぱり男だねえ」 と私の顔を見てぺろっと舌を出す。「外で食べたら簡単だのにねえ」ってことだ。こりゃあ、女にしか分からないことかも~。やれやれ。

 

 友人の娘Uちゃんが結婚しますとメールを寄越してくれた。「これで少しは親孝行が出来そうです」とも、、、。子供というものは、 何も分かっちゃ居ないんだ。我が子の結婚を望まないわけはないが、それとは裏腹な親としての感情があるということを。結婚したら、 それが即幸せに繋がるなんて、甘いことを考えている親は余りいないのではないか?どうぞ幸せになって!と願う心以上に心配がある。 上手く行ってくれれば良いが、もしそうでなくなった時、親は身を切られる思いがするのだ。映画のタイトルではないが、「ああ、結婚」だ。 生まれも育ちも違う人間が二人、若くて、自分の事もよく分かってないにもかかわらず、相手のことを分かったような気になって、 危ない日常生活を繰り広げる。譲り合ったり、歩み寄ったり、分かちあったりが出来ている内は良いが、甘えや油断が原因で、 それらが疎かになったとき、大きな落とし穴がぽっかりだ!そこに落ちていきそうな子供を見る親の心は、恐らくは、 親にならなければ分からないのだろう。、、、歴史は繰り返される。いや、Uちゃん、だからこそ、どうぞお幸せにだ!

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