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2006年3月10日 (金)

栄養。

 といっても別に身体にこれ以上栄養を付けるということではない。心の栄養のことだ。

 今回は体調の悪さを引きずって上京したが、毎日うがいと手洗いの励行に、キチンと薬も飲み、あまり動かず、よく眠り、、、を繰り返していると、あのきちゃない東京の空気の中でも風邪症状は快復。その上、めっちゃおもろい芝居を二つも連ちゃんで見ることが出来て、もう、すっかりメンテ完了!ってかんじ。
 「ひかりごけ」という人肉事件を扱かったおもた〜い作品と、加藤健一事務所のかる〜くて楽しいお芝居の両極端を観賞したのだ。全く偶然に行きあわせた両作品はどちらも小劇場での公演だったが、いや〜面白かった。今日ご来店の芝居好きなお客様としっかりその話しをしたのだが、かなり羨ましがられたもの。ちょっとこちらでは見られないものだものねえ。

 「ひかりごけ」は映画化されてるらしいが知らなかった。原作もかなり有名なんだそうだが、これもどうやらうかうかと見過ごしてきた作品のようだ。短歌の友人で、超が付く読書家のwakoさんだったらきっとご存じだろうなあ。又訊いてみよう。この原作者も凄いが、演出家も良かった。芝居の後のレクチャーで原作を一部彼が朗読したが、これがホントに素晴らしかった。声の響きといい、書き手の思いの伝え方と良い、完璧だったと思う。鐘下辰男、こんな凄い人の肉声が聞けたのはラッキーだった。

 「この作品は今の日本がイラク問題とかに関わっているからそれでこの作品ですか?」という若い女性の質問があったが、彼の答えは「全くないとは言いませんが、全てではありません」と答えていた。そうなんだ。文学とは事象を描いてみせるけれど、見えていることが全てではない。むしろ見えていないが重要なことがそこにはあるのだ。この作品の演出は最初から最後まで観客に考えることを要求していた。ひな壇に向き合う形で客席があり、その一番下の真ん中に舞台がある。道具といえばちゃぶ台とおぼしき木の箱とその上に湯気を立てている鉄鍋。そして天井からその鍋をサスが照らしているだけ。
 始まりは客電が完全に消える前に一方の壁側の縦穴から男が一人ニョッキリと顔を出す。そして、右に左にと首をゆっくりと回して客席を見回す。徐々に消えていく客電。完全に舞台の薄暗い照明だけになったとき、男は裸足の足から全身を現す。そしてそこが「ひかりごけ」の繁殖する洞窟であるということが語られる、、、。

 ここから程無い時間に、男ばかりの出演者の内4人がフンドシ一つの裸で登場する、、、。

 最後は人肉裁判で裁かれる船長が、客席に向かって、「ねえ皆さん、私の後ろにわっかが見えるでしょう!?ええ、薄い緑色をしたモノです。え?見えない?そんなバカな。だって、私は人の肉を食ったんですよ。昔から人の肉を食ったもんには首の後ろにわっかが出来るって、、、でも、自分も人の肉を食ってるとその相手の光の輪も見えない、、、、そんなバカな!ねえ、皆さん。皆さんは人の肉なんか食ってませんよね!?ねえ!?そんなら見えるでしょう!?私の首の後ろに!、、、それとも、、、、、、、、?


 今思い出してもぞぞぞ〜っとする。」

 

 

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