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2005年10月 2日 (日)

感動した!

 なんてこった!よその劇団だ!かねてから殆ど全作品を見続けてきているが、今回ほど、テーマといい、舞台美術といい、音楽といい、見事にマッチした作品は初めてだ。以前一緒に舞台に立ったことのあるT君は本領を発揮して素晴らしくソロを歌った!ちぇちのオペラにも語りで出てくれたN君はもう全くプロの領域。「間」といい、「語り口のなめらかさ」といい、そこに心を込めた名句調はちょっと最近聞いたことがないくらい良かった。何より作品自体の持つ「深さ」がシンシンと胸を打った。全くの偶然だが、この日記に何日か前に書いた私の想いをそのまま舞台に乗せてくれたようなものだった。この作者は私とほぼ同年代で、だから彼の生きてきた時代が理解出来るし、何を見て、何を感じて生きてきたかが想像出来るという点で、ずっと興味深いものがあった。ここにきて、このテーマというのも、全く共感出来る。空海の青年時代、と言う設定だが、彼の想像力は空海の史実にとどまらず、彼の姿を借りて現代の青年達の姿を描いてみせる。「人は生きている限り苦しむ」「多くの苦しみの中のほんの少しの幸せで生かされている」「幸せの背中には必ず不幸がある」「生きているだけでその人は罪をしょっている」「生きると言うことは人を傷つけることだ」などなど、若い役者達から次々と言葉が投げられる。
空海が高野に立って裾野に拡がる村や町を眺め、「ここからは姿が見えぬが確かに居る人間達。怒り、泣き、愛し、もがき、時には人を騙し、野心を持ち生きている人々。これらの人々が愛おしくてならぬ。、、、」という述懐には涙がこみあげた。
奇しくも先日娘と息子と母を伴い、善通寺へ参拝し、弘法大師に触れてきたのだ。妙に縁があるなあ。3時間の長丁場が、今日ばかりは長く感じられなかった。ミュージカルだのに、母も満足したようだ。帰りのラーメンもおいしくて二人ともご機嫌で帰宅。、、、ホントはメチャクチャしんどくて行きたくなかったのを、自分で自分のお尻を叩いて出かけたのだったが、ホントに行けて良かった。一期一会、芝居は消える。その時を逃したらもうお仕舞いだ。出会えた時はラッキー。
 今も大阪の友人が教育テレビでテノールリサイタルやってるよと教えてくれる。
こうして又、暗譜の時間が、、あ・あ・あ・あ〜

 

 

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