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2005年5月31日 (火)

感動の舞台。

 今夜は久しぶりに舞台を観て感動した。シェイクスピアの「冬物語」だったが、BBCの映像なんかで見るのと違い迫力満点。役者の汗が手に取るように見える位置での観劇は、感激の間隙にも又感激!と言う具合で、、、フフフシェイクスピア的ダジャレだ!いやまったく素晴らしかった。一番感心したのは役者の声。8割方の人が凄い声の持ち主だ。数曲の挿入歌も内一人はオペラアリアが歌えるテクニック。主役の平幹二郎の演技とねばい声はこの役にうってつけ。年と共に良くなって居るなあ。前田美波里は相変わらずの美しさに磨きがかかり、しなやかさと気品にうっとりする。終幕では長時間のストップモーションを、考えられないキープ力で保持、観客のため息を誘う。首をかしげて中腰の姿勢はダンサーならではのキープ力だ。凄いとしか言いようがない。
シェイクスピアは、人間として何を大切に生きるべきかを、平明な言葉で簡潔に表現する。「人は間違う。しかし、その間違いは許されるべきもの、、、」慈悲の世界だ。彫像のように動かなかった王妃がやがて人間としてゆっくり動き始めたとき、我々は思わず涙した。この涙は、大いなるモノの前に立つ小さな人間の甘い涙だ。観客の多くが、罪深い人間としての全てが癒されていくのを感じたことだろう。
舞台美術もシンプルで素晴らしかった。モノトーンに統一されて、時々役者の一部が原色で彩られ浮き立つ。最後の1本の長い百合の花は舞台全体を締める大きな役割を担っていて巧みだった。こんなに心地よい舞台を観たのは全く久しぶりだった。やっぱりシェイクスピアは面白い。平幹二郎だ〜い好き!

 

 

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