久しぶりの映画鑑賞。
噂のオペラ座の怪人に誘ってくれて送り迎え付きでお出かけ。シンデレラタイムにご機嫌でご帰還だ。やっぱり、時々は映画も観なくっちゃ!このドラマは、原作はというか、この映画の中でも「声」を極めるということについてファンタスティックにではあるが重要な主張が語られている。まあしかし映画では主役の声はきれいではあるが機械的に処理されテーマからはやや離れた、言い換えれば軽いものになっていた。レチタティーボもミュージカルにありがちなテクニックを駆使していて新鮮さはなかった。NYで観た「キャッツ」と同じフレーズがあってちょっと頭が混乱した。全体で印象に残ったのは映画の色彩処理だった。「シンドラーのリスト」で使われたと同じテクニックで無彩色の風景の中の一部が赤く染まって物語の幕を飾った。、、、などという制作上の技術にばかり目が行くのは、先日の公演の後遺症か?一番大きなテーマであるところの「愛」について、もっと自分自身がはまりたかったのだが、、、。ファントムが醜い顔をしている事への若い女性らしい細やかな反応が女優の目の表情などによく出ていて説得力があったし、何よりファントム役の男優の悲しげな表情には泣けた。まあしかし、この手の話しの何と多いことか。所謂美女と野獣的な話しは古今東西受けるんだ。
帰りの車の中で唯一お若いSさんに「もしあのクリスティーヌが自分だったらどう?そこに残る?それとも今日の映画のように去っていく?」と訊いてみたらやっぱり残れないらしい。ほんというと、こういう若い女性が「私なら残るかも知れない」と答えるような描き方も出来たのではないか?と、ちょっぴり不満な映画ではあった。昔観たものは余りに悲しくて声を押し殺して泣きながら観た覚えがあるから、、、。