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2004年9月28日 (火)

出来心、、、。

 数日前に読んだ新聞に、何冊か本の紹介記事があった。その紹介文が全くそそられる内容で、心に残ってしまった。このところ、絶対自分には本を読む時間は作れないと思い、この手の記事には目を通さないようにしていたが、ピラッとめくった瞬間に「転落」という字が飛び込んできた。このところ事件に巻き込まれそうになったりして、この言葉には強く反応してしまった。そこにはもう一つ「犯人に告ぐ」という本の紹介もあった。が、私は解説の前者にとても興味を引かれて、後者はありきたりな捜査物という印象を持ったに過ぎない。で、偶然翌日本屋に行くことになった。山ほど並ぶ新刊書を一瞥したがそこには止まらず目的の本を探し当てる。連れて行った母は、まだ用事が済まない。手持ちぶさたで、ついその新刊書の前に立つ。すると、まざまざと私の脳裏に浮かんできた「転落」の二文字。知らず知らず探していた。ところが、最初に目に付いたのは「犯人に告ぐ」であった。本を手にしたときから覚悟を決めた。仕方ない。出会ってしまったんだからと自分に言い訳をして「転落」を探す。当然のようにそれはすぐに出てきた。新聞の評を何処まで信じたかは別として、兎に角、私はまんまとその二冊の本を買うに至った。
その日から地獄が始まった。読みたい本があるのに、読む時間がない。最近パソコンのせいかどうか、兎に角夜になると極端に目が見えない。と言うことは昼間読む必要があるが、それはとても出来ない。どうしても夕食の準備の後、ということになり、電気の明かりの下になる。苦労して読んだが「転落」は私好みではなかった。とっとと、友人にあげてしまった。ところが期待してなかった「犯人に告ぐ」は、読み始めたら止まらない類のものだった。適度に読者を緊張させたり、好奇心を煽ったりと、兎に角その本に捕まってしまって、身動き出来なくなった。やらなくてはいけないことが、あれもこれも飛んでしまう。頭の隅で唸りながら、目は字を追い、手はページを繰る。食事もそこそこに部屋に閉じこもって読んでいると、大阪の友人から他愛もない電話がかかってくる。いつもなら、適当に長々と近況を話すのだが、今日は勘弁して欲しかった。彼女もそれを察してか、意外にあっさりと切る。、、、遂に全部読み終えて、目尻の涙をぬぐい場所移動すると、メールが携帯に来てる。何事かと読むと、あ、短歌の一首選の催促だ。いけない。すっかり忘れてた。娘からも着信履歴が。
その二件を処理してこうして日記を書いているが、特筆すべきは、「犯人に告ぐ」の面白さだ。
いやあ、ホントに面白かった。久しぶりに本に没頭した。、、しかし、メガネを新調したばかりだのに、夜になると本がとっても読みづらいのは、ひょっとして、、、白内障か?
娘は今夜「藤子ヘミング」のリサイタルで号泣してきたそうな。彼女はその演奏から「生きる希望と力を貰った」ようだが、一緒に行った65才の文化人は「このまま死んでも良い」と思ったという。年齢の差か。又彼は「音符通り弾くのはピアニスト。それに自分なりの解釈を加えるのが音楽家。その全てを超えて、音を創るのがゲージュツ家」だと言ったそうな。なるほど。
しかし、今回はつい出来心で本を買ってしまったが、これからは当分自粛せねば、、、。
年とったら読書三昧したいと思っていたが、これ以上目が悪くなったら、それも叶わないだろうなあ。ああ、老後はどう生きようか?

 

 

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