茫然、、、。
本日初めて、被災された恩師のおうちを訪問出来た。想像通りのひどさだったが、しかし、想像と現実は違う。実際に水浸しになった床が畳の無い顔をさらし、白壁がはがれて水位を教えているのを見ると、皮膚の内側から寒気に襲われた。案の定大切な蔵書が水浸しで、漱石全集など、ケースのまま乾かし、それから中身を出すんだそうだが、整然と並べられていたあの書物達が、所狭しと広がっているのを見ると胸が痛んだ。元お台所の床には、たくさんの写真が並んでいた。一度水洗いしたものをこうして乾かして居るんだそうだ。お孫さんや、お子さん達との楽しげな写真の数々。「ものを持ちすぎているから大変なんです」と平然とおっしゃるご主人が、熱心にその写真を並べていらっしゃるのが印象的だった。もともと物欲の無い方だとは聞いていたが、さすがであった。お二人とも、冷静で、表面的には逞しいのが救いだったが、しかし、きっと疲労が溜まることだろう。「長期戦です」と言われていたが、全く、元の生活に戻るにはかなりの時間がいるだろう。しかし、短歌の会の男性達はこんな時力仕事をしてくれたりと、やっぱり頼もしかったようだ。県内外からも多くの方々から電話やメールやFAXが相次いだとか。私はその全てを止めておいて正解だったようだ。ホントにこんな時の心遣いは難しい。全く何も言われないのは孤独だろうし、かと言って、返事が困るくらいの友情や親切は疲れることだろう。恐らくこう考えて何も連絡しない人も多いのではないか。実際我々も、寄ると触ると心配しては居るんだが、、。
今回、様子を聞けば聞くほど、警戒態勢が甘かった、というか住民への連絡が遅すぎたのではないかと思う。そして、今日聞くところに寄ると、まだ今にして、調査にも、消毒にも来てないというから、住民は不安なことだろう。どうやらお役所もパニクッてるらしい。やれやれ。
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