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2003年8月30日 (土)

幸せなんて、簡単なモンだった。

 今朝は早くから又しても遅れてきたMariさんを罰として、後部座席の真ん中に乗せて、一路高知へ、須崎へ、、、と高速に乗るやいなや、「あら左よ」「イヤ右だわよ」「そんなあ、徳島は左でしょ!?」「え?今日は高知よ!」てなことから始まった。5人中二人までが今日は徳島に行くと思っていたことが判明。やれやれ、先が思いやられるといいつつ、晴れ晴れとした夏の終わりの空の下、気持ちよく2時間ほど走る。いなか〜の町須崎に忽然と現れた文化会館。本日のホールである。900席程度ながら、この町にとってはひょっとして一番の大きなホール?すっっぴんの小濱さんを訪ねてから、まずはここにしか無いという「鍋焼きラーメン」で昼食を。この暑いのに長蛇の列、とまでは行かないが、かなりの人が待っている。こりゃあ待てないと悟った私は、その辺を探索に出かける。これがあとで思いがけず役に立った。およそ30分も歩いた頃に、Mariさんからもう順番ですヨオと連絡が。店に戻ると、超ご機嫌斜めのI先生。「このクソ暑いのに、こんなに待たされて、地獄だ」とのたまう。しかも、ようやく出てきたラーメンが先生の大嫌いな鳥入りだった!きゃっ、し〜らないっと!と内心思うも、あえてそれは口にせず、おいしいおいしいと汗をかきながら食べる。猫舌の私は口の中が一皮むけるほどの熱さ。そもそも、出前中にさめないための工夫だったとか。さもありなん。
 で、差し入れのお菓子を買うためにさっき歩いた中央商店街のお菓子屋さんに立ち寄ると、試食したおまんじゅうがと〜〜〜ってもおいしい。オバタリアンが4人揃えば怖いモノはない。その辺のを全部試食させてもらう。余りに安くておいしかったあるおまんじゅうは我々が全部買い占めた。Mさんなんかは今度からこの辺に来たら必ず寄るとまで言っている。いやほんとにおいしかった。
で、肝心のオペラであるが、兎に角驚いたのは客席のこと。一番良い席から全部中学生が埋めている。学校教育の一環らしかったが、本物のオペラを最初から見せるなんざあ、須崎の人達はなかなか凄い。蝶々さんが15歳というのを彼らはどう思っただろう。、、、上演中少しざわついたが、最終幕のピンカートンが白人のお嫁さんと現れる当たりからは、水を打ったようにし〜んとなる。その静寂の中を、小濱さんは歌いきった!絶唱と呼べるだろう。あちらこちらからすすり泣きが洩れる中カーテンコールとなる。素晴らしい演技力と歌唱力に、少年少女達も感動したことだろう。この年齢で、これを見たことが、のちのちなんらかの影響をその子達の人生に与えるだろう。
帰りは高知で夕食をということになり、I先生のたっての願い「兎に角待ちたくない」というのを目標に今度は普通道を走る。勝手の分からない町で、偶然は入ったパーキングを下に降りると、そこは「ひろめ市場」という大変ユニークな食堂街。広場の真ん中が粗末なテーブルと椅子だけだが一応食堂。食べるものは周辺の魚屋さんやお肉屋さんお寿司屋さんなんかから買ってきて自由に食べる。この形が気に入った私達は食べること食べること!でも、兎に角安い。帰りは運転しなくて良いと、待たないで食べられることに大変ご満悦の先生が言ってくれたので、アチクシは生中をお代わりする。良い気分で、帰りは平均120キロでぶっ飛ばす。(I先生は中年暴走族なのだ)
車中でマリアカラスを聴きつつ、後部座席のニワトリが良い舞台を見たあとの興奮で歌うように叫ぶ(叫ぶように歌う?)のを必死で押さえるも、かなわず!舞台の余韻はどこへやら。ら。ら。
最後は諦めて、高速を降りてから新しい喫茶店へ。これが又いける珈琲だったし、トッピング付きのソフトクリームのおいしかったこと!なんて幸せな一日!
要するに、良い音楽を聴いて(出来れば歌)おいしいモノを食べられて、気の置けない仲間とピーチクパーチクおしゃべりが出来て、大音量で笑えて、時には文学の話しもしいの、ちょびっと人の悪口も言いの、、、、この本日のような時間こそが幸せだったんだ!、、、なんて簡単!
 とはいえ、疲れた。

 

 

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